2000年5月4日(木曜日)


 金銭的問題、対応の悪さなどいろいろと有りまして、結局有線インターネットではなくISDN回線を入れることに相成りました。TAにしたらモデムのときよりぜんぜん動作が軽くて安定するようになりました。やっぱりLT Win Modemは欠陥品と言うことなんですかね(^_^;)。面倒くさいのでまだ除去していないのですが(笑)。


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 満員電車

ジャンル:オカルト
危険度:大

 7時16分発大船行きの総武快速線はただでさえ非常に込み合う電車だと言うのに、その日に限って信号故障とかで電車が遅れ、尋常じゃない人間がホームに集結していた。ホームは押し合いへし合いの大混雑となり、最前列ではたまらず線路に落下する人間までいる始末だった。
 折り返し始発のその電車は、線路に落ちている人間にはまったくかまうことも無く、容赦なく血溜りを作りながらホームに滑り込んできた。
 始発と言うこともあって思っていたほどにも込み合わなかったが、回りは年配の男性ばかりで臭くて暑苦しかった。

 津田沼を出た電車は、次の船橋、そして市川を過ぎた頃に、その混雑具合が本格化し、深刻さを増してくる。暑苦しくとも静かだった車内で、少しずつぼやきやうめき声が増えてくる。
 ……痛い………苦しい……死ぬぅ…………。
 停車しない小岩駅を通過した頃だった。俺がいた位置は扉から遠い吊り革の下あたりだ。四方の圧力にもまれながら、遠い意識の中で、ぼんやりと窓の外の流れる景色を眺めていたのだ。
 ちょうど死角になる方向から、激しい女性の悲鳴が聞こえたのだ。
 そして、その瞬間、俺が眺めていた外の景色を映す窓にまで血飛沫が飛んできた。だから多分俺の右後頭部にも赤黒い血のりが降りかかってきたことだろう。何が起こっているのかはだいたい想像がついた。

 しかし新小岩駅の人ゴミは、容赦なく車内の乗客を更に圧迫した。
 新小岩駅の駅員はとてつもない大男がずらりとそろい、その巨体の上に乗せている顔を真っ赤に膨らませ、力いっぱい扉からあふれる人ゴミを電車の中に押し込んだ。そのたびに中から激しいうめき声や悲鳴が上がり、そして時折ヴヂャッと鈍い音を立てて血飛沫を舞い上がらせたりする。
 俺はといえば、周囲の混乱など目にくれる余裕も無く、前後左右から押し寄せる人間の圧迫に揉まれて意識はますます朦朧とし、失神寸前の状態に陥っていた。しかしここで仮にも失神して全神経が機能を停止し体中の緊張を解いてしまえば、たちまちのうちに四方から押し寄せる圧力によって弛んだこの軟な肉体などこの人ゴミに握りつぶされてあたり一面に血飛沫を振り撒くだろうということはよくわかっていた。何より今日は取引先との大事な打ち合わせで、俺の仕事が会社の社運までを左右しかねないほどの大仕事なのだ。今ここで人ゴミに握りつぶされて無様でつまらない死を遂げてしまうわけには行かない。なんとしても、生きて会社にたどり着かねばならない。

 扉は何とか閉ざされ、電車は更に5分の遅れを作りながら、新小岩駅を後にゆっくりと滑り出した。
 俺は何とか自分の気を入れなおして、からだの緊張を保ちつづけることに専念した。錦糸町にさえついてしまえば、ここにいる人間のほとんどがこの電車を降りて各駅停車に乗り換える。それまで何とか堪えるんだ。これを堪えきれば、きっと更に充実した生活を向かえることができる。そう信じて。
 電車は、少しずつ、加速度を増していった。


  ☆ 新コーナー予告

 いつもネタ帳を読んでくれているあなただけに教えましょう(笑)。  潰してしまったぷらいべーと言いたい放題に変わる新コーナーを予定しています。
 その名も、「男の料理道(仮)」!!
 何のレシピも見ずに(っていうのは嘘だけど)自炊を続ける私の、出来上がった料理の写真と共に作り方を紹介し、エピソードなんかを付け加えるような、そんなコーナーになる予定です。
 今のところ、素材はいくつかあるのですが、まだちっとも準備していないので、結構実現までに時間がかかるかもしれませんが(何しろ自作しくじったしなぁ、復旧にどんだけかかるんだいったい^_^;)、まぁ期待しないで気長に待っていてくださいな(^_^;)

 あともう一つ、まるのみにあるコーナーはたいがい文字だけなのですが、いかんせん文字数が多すぎてi-modeやJ Sky Webなんかで見ようとするとエラーが出たり、J Sky Webに至っては途中まですら読ませてくれなかったりすると言う始末なので(i-i)ァゥァゥ、携帯からでも手軽に読める文字数制限ページを設置するかもしれない予定です。面倒くさいですが、暇があればやろうかなとは思っています。

 以上!!




※5月25日更新:本来改行すべきところに改行タグを挿入しました。。。あんまり意味ないんだけどね(^_^;)。しかもこのお話、ジャンルがオカルトになっている割にはちっともオカルトじゃないし。ふつーの近未来フィクションじゃん。SFですらないし。何で危険度大なんだろう。疲れてたんだね、多分。