2000年2月3日(木曜日)


 とてつもない課題を終わらせた後の脱力感というのは非常に危険な香りがします。私の場合とてつもない眠気と吐き気が襲い、唾げろがあふれ、頭がものすごく重くなります。何かをやっている間というのは無意識のうちに自分自身でそのテンションを上げようとするもので、そういう時期に限っていいメロディーが浮かんできたりもするものなのですが、ひとたびそういう時期が過ぎていってしまうと、そんなすばらしいアイデアも緊張感といっしょになってどこかに流れていってしまうのです。

 どうでもいいのですが、せっかく卒論が終わったのに、今度はやりたいことがいっぱい溜まってしまっていてどこから片付けたらよいのかわからない状態です。曲はもちろん作りたいですが、それ以上にゲームも作りたいし、「がぶりつきの間」も作ってしまいたいし、見たい映画もあったような気がするし、本も読みたいしエロゲーもやりたいしうんずノートのカスタマイズもしたいし…。でもそれ以前にとにかくこの髭を剃りたい!(笑)
 でも遊んでばかりもいられません。実はやらなきゃいけないことはまだまだ結構あるんです。入社手続きとか、引越しの準備とか、ロリビデオの処分とか(爆)。あ、誰かロリビデオをただで引き取ってくれる人いませんか?10歳ぐらいの少女に興味のある方。いたらメールください。僕はもううんざりです(^_^;)。某牛君あたりだったら引き取ってくれるかな?(問題発言)


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 神の声

ジャンル:フィクション
危険度:中

 会社に3日も泊り込みで残業をしていた晩、ふと気がつくとモニターの影から神の声が聞こえた。
 神の声は俺に、自分が神であること、自分は俺以外の誰にも見ることも話を聞くこともできない存在であることなどを簡潔に説明し、そして、やさしい声色で、これから私はあなたが死ぬまでずっとあなたを加護し、わずかですが力を授けましょう、その代わりあなたは、私の声の代弁者となり、私の教えをたくさんの人々に広めていって欲しい、と言った。
 俺はその声に問うた。あんたこれから、ずっと俺のそばにいるのかと。神の声は、そうです、私はこれからずっとあなたに付き添い、あなたを守りつづけます、と言った。だから俺はこう叫んだんだ。そしたらおまえ、恥ずかしくってオナニーもできねぇじゃねえか。

 自分の叫び声に目が覚めてしまうということはよくあることで、ふと時計を見るとすでに午前3時を回っていた。キーボードに伏したまま眠ってしまったからだ、モニターは画面いっぱい「k」という字で埋め尽くされてしまっていた。誰も起こしてくれなかったわけではない、もう誰もいないのだ。
 一人寂しいオフィスの中で、冷え切ってしまった緑茶を一口飲んだ。だんだんと晴れてくる意識の中で、そういえば自分はセールス電話にはあまり引っかからないタイプの人間であったことを、だんだんと思い出していた。


 神の声

ジャンル:フィクション
危険度:中

 会社に7日も泊り込みで残業をしていた晩、ふと気がつくとデスクの引き出しから神の声が聞こえた。
 神の声は俺に、自分が神であること、自分は俺以外の誰にも見ることも話を聞くこともできない存在であることなどを簡潔に説明し、そして、やさしい声色で、これから私はあなたが死ぬまでずっとあなたを加護し、わずかですが力を授けましょう、その代わりあなたは、私の声の代弁者となり、私の教えをたくさんの人々に広めていって欲しい、と言った。
 俺はその声に問うた。あんたこれから、ずっと俺のそばにいるのかと。神の声は、そうです、私はこれからずっとあなたに付き添い、あなたを守りつづけます、と言った。だから俺はこう頼んだんだ。そしたらおまえ、俺の奴隷になってくれないか?

 浅い眠りは境目のはっきりしないまま現実へと視点が切り替わり、ふと時計を見るとすでに午前3時を回っていた。キーボードに伏したまま眠ってしまったからか、モニターは画面いっぱい「m」という字で埋め尽くされてしまっていた。誰も起こしてくれなかったわけではない、もう誰もいないのだ。
 一人寂しいオフィスの中で、冷え切ってしまった緑茶を一口飲んだ。だんだんと晴れてくる意識の中で、そういえば自分はなれるものなら神になりたいと思っている人間であったことを、だんだんと思い出していた。


 女神

ジャンル:フィクション
危険度:大

 会社に2ヶ月も泊り込みで修行もとい残業をしていた晩、ふと気がつくと天井から神の声が聞こえた。
 神の声は俺に、自分が神であること、自分はもともと俺以外の誰にも見ることも話を聞くこともできない存在であったが最近ちょこっとバージョンアップし霊的な力の強い人間であれば話を聞かせることぐらいはできるようになった存在であることなどを簡潔に説明し、そして、やさしい声色で、これから私はあなたが死ぬまでずっとあなたを加護し、わずかですが力を授けましょう、その代わりあなたは、私の声の代弁者となり、私の教えをたくさんの人々に広めていって欲しい、と言った。
 俺は、今度こそ一番の本心を口にしようと覚悟を決め、その声の主に問うた。俺には見えるんだろう? いい加減、その姿を俺に拝ませてはくれまいか。

 天井にしがみついていた神は、神々しく光に包まれながらゆっくりと宙を下降し、俺のデスクの上に土足のまま降り立った。身の丈1mにも満たない幼女の姿をしていた。

 俺は彼女に軽くお辞儀をし、そして、かわいらしい女神様ですね、とお世辞を言った。お世辞ではあるが嘘ではない。俺は子供は決して嫌いではない。
 しかし彼女はそんな俺の「女神」という言葉が気にくわなかったらしく、それは男尊女卑です、普通に「神」と呼びなさい、と激しく剣幕を立てた。俺はそれには突っ込む気にもなれず、とりあえずそこに立たれると邪魔だから下りてくれ、と彼女に頼んだ。

「なぜ、自分の前に現れたのですか」俺は聞いた。
「あなたの心に救いを求める声を感じたからです」女神は答えた。
「救いの声?」
「そう。救いの声。現にあなたは、優に2ヶ月もここに監禁されているではないですか」
 なるほど。そういわれてみれば確かにそうだ。仕事とはいえ、俺はここに2ヶ月もの間監禁されている。
「それじゃああんたは俺の仕事を手伝いに来たのか?」
「そうではありません、しかし、あなたの力になれればと思って、あなたをお救い致したく参ったのでございます」
「力になる? 冗談じゃない」
 俺は両手を大きく振ってリアクションをとった。そのくらいこれは、俺にとって理解に苦しむ出来事だったのだ。
「あんたに何の力になれって言うんだ? そこに転がっている企画モノの声優でもやってくれるっていうのか?」
 そう言って俺が指を指したもの。無造作に転がる、1枚のMOディスク。
 ここはとある雑誌社の編集室だ。扱っている雑誌は、いわゆるエロゲーを扱ったマニア誌で、毎回付録CDにたくさんの体験版ゲームやCG、そして企画モノのゲームなんかを載せている。今回その企画モノのゲームに出演する予定だった声優が事務所から待ったがかかってしまったらしく、収録どたん場になってキャンセルされてしまったのだ。
「陵辱される少女の役だ。年齢的にもちょうどいいみたいだしな」

 次に目が覚めたときには、都合の悪いことに朝になってしまっていた。
 仲間のやつが一人寄ってきて、「お、イケピーが目覚ましたよぉ」とのたまった。寄ってきたのは暑苦しい顔のアブラムシ坂下だ。
「なんだぁ、目覚めの悪くなる顔寄せてくんなよ、アブラムシぃ」
「なんだか寝てるときのイケピーさん、すんごい気色悪かったよ」
 俺の悪態は一切無視して、アブラムシがそんなことを言ってきた。
「気色悪い?」
「そう、なんだかにたにたしちゃってさ。なんか気持ちいい夢でも見てたの?」
 夢? 夢か。なるほど。心当たりはある。
 確か俺は、あの後図にノっていろいろ注文していぢめまくったんだよな。
 今日は早出のバイト君のカマキリ本田が気を利かせてお茶を入れてきてくれた。カマキリ本田とはかわいそうな名前だがれっきとした女性のバイト君である。俺はその熱いお茶をゆっくりすすりながら、少しずつはっきりしてくる意識の中、だんだんと、甘美な夢の記憶が、罪悪感へと切り替わっていくのを感じていた。
 そして、これに懲りて、もう二度と、女神は俺の前に姿をあらわさないだろうと、確信していた。


 フィクションの書き方

ジャンル:コラム
危険度:小

 上であんなくだらないお話を書いておいてこんなことを書くのもなんだか気が引けるのではありますが(^_^;)、以前友人に、どうやったらあんな話が思いつくのかと聞かれたことがあったのを思い出しまして、それについてこの場で思い当たる節を書いてみようかと思った次第なのであります。

 私のフィクションを書くスタイルは実に適当極まりないのではありますが、それでも話が思い浮かぶということだけでも凄いことなのだと思います。友達も多分そういうことを感心しているのでしょう。内容の良し悪しは別として(笑)。
 では、どうやって物語を発想しているのか。
 それは、「もしも私が○○だったら」から始まります。あるいは「私」ではなくとも、普通ありえなさそうな組み合わせで「もしも××な△△が◆◆で※※だったら」を考えます。そして、その状況を徹底的に空想し、想像力を働かせるのです。
 たとえば、宗教がらみの事件のニュースを見たとします。そこで私は、もし、自分に神の声が聞こえたら、を連想します。しかし、実際に神の声というものやそれに近いことを体験したことのない私にはいまいちピンと来なかったりします。
 そこで、さらに突っ込んで、毎日仕事で忙しくて何者にもかまっていられないような状況で、神の声などという厄介なものが聞こえてしまったら、人はどんな風に反応するのか、と考えをめぐらせます。
 先出しの「神の声」はそうやって作られ始めたはずだったのですが、いつのまにかネタなし引っ張り使いまわしコントになってしまった、まぁいわゆる失敗作です(-_-)..zzZZが、他のたいがいのフィクションがそのような道筋を経て作られています。

 私のこのフィクションの作り方は、山田玲司氏の漫画「ストリッパー」によって影響されてできたものであり、そして実際にこれを実践している作家でもっとも尊敬できる作家さんに吾妻ひでお氏がいます。
 「ストリッパー」はここでも何度か紹介していますが、たとえば主人公の九条有也が語るシーンにこんなのがあります。

 僕は…… 昔から…… 異常に想像力が豊かな子供だった。 校庭から浮き上がる巨大な鳥や、 空の裂け目からにじみ出た竜のウロコ一つ一つをはっきり見る事ができたし…… 中学に入ってからはスカした女教師を、 よく黒板にレイプさせたりした…… 彼女の叫びや黒板の息づかい、 汗…涙……すべてがクリアに見えた…… 遺跡に行けばドレイの叫びを聞き、 博物館では恐竜に食われる鳥の気持ちになった。 「助けて、 助けてくれ。」

 80人にまわされたAV女の父親。中国で女の腹を裂いた日本兵の笑い顔。カンボジアの空。燃えるジャングルと、英単語を覚える僕。生物兵器の人体実験に使われた子供。アフリカの月。燃えるジャングルと、英単語を覚える僕。
 これはすべて、作中で山田玲司氏が書いた言葉です。思えば氏が一番ノリノリの時期だったとおもう。最近は、、、アガペイズ消えてるし、、、(-_-)......*~●
 で、吾妻ひでお氏はとにかくキャラクターに何でも実践させようとする人なのです。たとえば、「人魚が出てくるアパートもの」というお題が出されると、まずアパートがとてつもなく広くて自分が借りた番号の部屋を探すのにも旅になってしまうという設定になる。そして訪れた主人公は引ったくりに遭い、困ったところを人魚に助けられる。人魚はお店を開いていて、主人公は住まわせてもらう代わりに人魚のためにスープを作る。人魚特性の不思議なスープは人魚に一時的に足を作り、下半身が人間になった人魚はお客様のためにご奉仕する、というお話。
 想像力というのは実際こういうことを言うんだろうな、と思わせてくれるのが、吾妻ひでお作品の魅力なのだと、私は思うのです。
 もっと身近な例もあります。この人は他にも、たとえば主人公の少女にいろんなむちゃくちゃをさせて遊んだりします。スイカに穴を空けてそこから手を突っ込み、中をぐしゃぐしゃにかき回してから一気呑みさせたり、歯磨き粉のチューブをいっぺんに絞って口に頬張り、ぐちゅぐちゅうがいさせたり、朝散歩させてその道中でゴミ捨て場のエロ本を漁らせたり自販機のつり銭受けを一つ一つ探らせたりワンカップを咽を鳴らして飲ませたりします(^_^;)。こういうのも想像力であり、また、人の想像力を逆手に取ったギャグであるともできるのではないでしょうか。

 そんなわけで、私みたいなフィクションをいろいろ書いてみたいという人は、とにかくああいうちょっとイっちゃった系の作品をいろいろ漁って、ちょっとイっちゃってる空想に頭を慣れさせることがとりあえずは必要なのだと思うのです。で、慣れてきたら、今度はいろいろ想像することの練習です。新聞や雑誌やテレビのニュースを見ながら、あるいは夜道を歩いて巷の会話を小耳に挟みながら、その一つ一つを題材に拾っていって、それらをいろいろと組み合わせて捻じ曲げてお題を作って、そして空想に浸ってみる。その繰り返し。
 気が付くと、いつのまにか歌を歌い出したりする自分が出来上がっているはずです(笑)。