99年12月23日(木曜日)
先々週、「とっても充実しています」と書いて挨拶を閉じましたが、あまりにも充実しすぎているのか、先週すっかり更新するのを忘れてしまいました(^_^;)。こんなことが二度とないように気をつけたいところではあるのですが、忙しすぎて更新できないことは今後も何度でもありそうな予感です。
そういえば一部には公約しておきながらすっかり忘れてしまっているものがいくつかあります(うんずノートの紹介とか)。今はとにかく卒研をやってしまわなければいけないので、申し訳ありませんがもうしばらくの間、この駄文だけで我慢してやってください<m(_ _)m>。
ジャンル:フィクション
危険度:大
少年のような瞳に恋をした彼女は、結局のところ最終的には想いを実らせることはできなかったと言わざるを得ないのかもしれない。
二人は当然のように結婚し、新居を持ち、同棲生活を迎えた。そして、物語のエピローグのように、白く透明な、絵に描いたように幸せな日々を送った。
幸せ? 幸せと書いてしまって、本当に良いのだろうか。
最初の2、3日はまったく感じなかった違和感。一週間ほどして彼女が違和感を感じたのは、彼女の方の性欲がピークに達したからなのかもしれない。
そう、少年のように澄んだ心を持つ彼は、セックスの仕方も、いや、そういう概念すらも知らなかったのである。彼女に対して、欲情することすら、ないのだ。
そして、彼女にとってはそんな切ない日々が、3年ぐらい続くことになる。
やがて、彼女はおなかに娘を身篭った。
少年のようなその男は、それを知って、実に素直に、「毎日毎日コウノトリにお願いして、良かった」と言った。彼女はそれを聞いて、あまりにも純粋すぎる彼のその発言に罪悪感を感じ、たまらず涙を流し始めてしまった。男はそれを見て、なんで彼女が泣いてしまったのか、訳が解からずにいた。
娘が自我を持つようになり、マセガキと言われるまで成長しても、男は相変わらず、少年のような瞳と心でいた。
娘はもう少し成長してからこの日のことを思い出し、そして自分の父親は本当はこの人ではないということをうすうすながら感づくことになる。
ある日、性教育を習ってきたばかりの小学生の娘は、その日の夕食、少し興奮気味に今日ならったことを話し始めた。ねーねー、男の子のおちんちんって、将来子供を生むためにあるんだって。でも子供を産むのはお母さんだよね。何で男の子のおちんちんが関係あるんだろうね。変だよね。
母親であるところの彼女は、そのとき顔を蒼ざめさせて、言葉を失った。そしてそんな彼女を、父親であるところの、そして旦那であるところの彼の言葉が追い討ちをかけた。えー、男の子のおちんちんが子供が生まれるのに関係あるわけないじゃーん。子供って言うのは、青い青いコウノトリさんにお祈りすると届けに来てくれるものなんだよ。
どこまでが本気なのかわからなかった。
もしかしたらすべてを知っているのかもしれない、と思ったこともあった。
知っていて、嫉んでいて、それでわざと私を苦しめようとしているだけなのかもしれない。むしろその方がいいとさえ思った。その方が、どれだけ楽であることか。
彼女を蝕む罪悪感は、自己嫌悪へと変わっていった。
そして、自己嫌悪は、いつしか彼女を犯罪の道へと走らせた。
娘が高校へあがる頃、彼女は殺人罪で逮捕された。
殺されたのは、娘の本当の父親だった。おろかなるその無責任男は、彼女が絶対に家族には言えない二人だけの間の秘密を利用して、長年彼女を脅迫し、金を借りては踏み倒しつづけてきたのだ。そして、何かのきっかけになってしまうような些細な出来事があって、本当の父親であるところの男は、そうあるべき当然のことのように彼女の手によって殺された。
さて、その日から、その日もいまだ相変わらず少年のような瞳と心を持つ男と、その義理の娘との、二人だけの生活が始まった。
娘は、母が起こした事件によって、完全にすべてを知ることとなった。今、目の前にいる男が、本当の自分の父親ではないということ。母親は、そのことについてずっと負い目を持ちながら今の今まで共に生活してきたこと。そして、どうやら本当に、この男はただ単に純情な少年のような男であるらしいということを。
娘は、血のつながらない父親代わりのこの男に、恋をした。
そして、娘はあまりに純情なこの男に、肉体的に迫っていった。
男は、眼を血走らせて奇声を上げた。男の体中を、幼き日のトラウマが駆け回った。
男は幼かった頃、実は結構マセガキだった。
だから、同じくまだ幼かった自分の姉が、父親にされていることを見て、影で興奮しながら、その一部始終を見守っていたりした。
ある日、姉は初潮を迎え、そして父親の姉に対する仕打ちはエスカレートした。その日のうちについに破爪を強いられ、そして4ヶ月ほどして、姉は妊娠した。そして……。
姉は、父親に腹を包丁で切り開かれ、12歳の不幸な生涯を終えた。
彼が幼児化した背景には、そんな血塗られた過去があった。
彼は血のつながらない娘を、強く抱き締めた。
彼は涙声で、「ごめん」、とだけ、呟いた。
彼は、自分が自分の娘を持つことを、恐れていたのだ。
だから、自分の殻に閉じこもったまま、家族を持つことへの現実から逃げていただけなのだ。
彼は、実は、すべて、しっかり、理解していたのだ。
そして、だけど、自分にも責任があることも、よく解かっていた。
だから、何も言えなかっただけなのだ。
愛していないわけじゃ、なかったのだ。
男の瞳は、もはや少年のようなそれではなかった。
何より彼は、そのとき、血のつながらない娘に対して、欲情すらしていた。
しかしそれ以上に今の彼にとって、娘の華奢な体の温かさが、そのぬくもりが嬉しかった。そして、悲しきこの親子は、その日一日中、強く抱き締めあいながら、さめざめと、さめざめと、声を殺して涙を流しつづけたのだった。
ジャンル:ひとこと。
危険度:中
はまると大変な目に会います。下のような事態は日常茶飯事です。
っていうか、タスクバーみたいなのをメインウィンドウに用意してくれるとありがたいのですが。
なぁんて言いつつ。実はつい先ほど、私が卒研で代わりに制作しているソフトの土台といえるところまでがやっとこさ何とか出来上がったので、ちょっとだけ皆さんにお見せしちゃおうと思うのであります。
こんなのVC++使わなくたってVBで作れるじゃん、とか言われそうですが(^_^;)、将来的にはそういうわけにもいかなくする予定です。っていうか、独自バイナリを扱わなければいけないという時点でもう十分VBだけでは無理なのでありますが。っていうか、VC++で組んでもスクロールがここまで遅いとは(i-i)ァゥァゥ。