99年4月6日(火曜日)


 久しぶり(になってしまった)ですが、「児童売春・ポルノ規制法案」続報です。
 まず、情報をお寄せいただいたメールの方を紹介したいと思います。


> この中で2回も「児童の権利」という言葉を使用していますが、
>実は日本の憲法、及び法律のどこにも「児童の権利」を定めたも
>のなどありません。

 確かに日本の憲法にはこの様な表現はなかったと想います。
 しかし、批准している国際法(条約)の中には「児童の権利に関する条約
(子供の人権条約)」という、そのまんまな名前の法があります。
 国際条約と国内法(憲法)のどちらが上であるかというのは様々な議論が
あるようです。しかし、日本がこの条約に批准している以上、この条約は有
効であると想われます。(性的な保護は34条で謳われています。)
 児童の権利に対する規定について考えるときはこの条約を無視することは
できないと想います。

 貴重な情報を、本当にどうもありがとうございます。
 なるほど、国際条約ですか。ソフトウェアに著作権という概念を強要した、あの国際条約。確かに、ここに明記されているのであればこれは十分有効である、ということになりますね。
 しかし法というのはつくづく面倒なモノですね。国際条約→憲法→法律→地方条例→社則・校則とつながっていって(最後のは違うか?^_^;)、憲法ではここまで書いてあるけど法律ではさらにこうしようとか、法律ではここまで規制しているけどうちの地方ではこういう面もあるからさらにこんな規制も加えようとかあって、それはまぁそれで確かにすばらしいことなんだけど、そうやって作られた法には絶対記述の上で横着している部分があって、地方条例の記述の抜けている部分を参照するのに憲法やら国際条約やらまでさかのぼらなくちゃならなかったりして、事件が起こるたびにその一つ一つについて調べるのにものすごく時間がかかりそう。

 だから日本の裁判はものすごい時間がかかるんですね(なっとく)。

 さて、それはそうとこの法案、いよいよ成立したそうですね。
 内容的には児童売春に関わる斡旋・買春などに重点が置かれ、そこら辺の規制に関する記述がより明確にされた模様です。また、児童ポルノに関しては、「所持の禁止」の項目が削除されたと言うことです。
 詳しいことは私もあまりよく知らないのですが(成立された法の全文が掲載されているサイトがあったら教えて下さい)、ここまで聞いた限りでは多少はまともな方向に固まってきているようです。

 この問題に関してはまだ当分は追っていきたいと思っているので、またより詳しいことが分かり次第このコーナーにて扱っていきたいと思っています。

 最後に、先の情報を寄せていただいた方のこの問題に関する意見を掲載し、この話題はひとまず締めさせていただこうと思います。


 ポルノっていうのは何が描かれているか、とか、そういう問題じゃないんです
よね。(他の掲示板でも18禁規制の話題が出た時に描いたけど。)
 何がポルノで何がポルノじゃないかっていうのは長い間裁判で争われて来まし
たから。その意味では「性的好奇心をそそる物」という表現も致し方ないとも想
います。確かに曖昧と言えば曖昧ですが....。
 http://www.white-ribon.org/WRRSv1/のレベル表は一つの参考になりますね。
 世の中の○禁よりよっぽどわかりやすいと私は思います。
 Vチップなんかも似た評価法を使うようです。

 大人の搾取から子供をガードする必要はあると想います。
 大人から与えられた性的な傷は立ち直りが難しいことがいろんな事例で分かっ
てきているから。体でなく、人格を殺すことだ、と言っている方もいますし。未
熟とされている子供を守るのは当然だと、私は思います。
 ですから、ポルノ関連に子供を関わらせない。この点では賛成です。

 後は、好きな大人は自己責任でやって下さい。ってところでしょうか?
 もちろん、子供を関わらせない、という条件付です。
 大人がソープランドとかに行く行かない、お酒を飲む飲まないを決めるのは自
己責任の上での自由でしょ?それは国の決める事じゃない(と想う)。所持の禁
止っていうのはそういうことと同じ様な事だと、想うんですよね。薬物のように、
乱用した場合、周りに迷惑をかけると分かっているものは別ですけどね。

 ただ、勘違いしないで欲しい。それは、実写であろうが絵であろうがポルノは
ポルノであり、芸術は芸術であり、だということ。だから、絵だから規定からは
ずせ。漫画悪という親の偏見だから絵ははずせ。という単純な理屈だけを掲げて
いる反対サイトには賛成できません。絵だったら、実写でポルノ扱いのものも、
ポルノにならない、なんて話は筋が通っていないでしょ?、と私は思います。
 私が絵(や文章)ならいいのでは、というのは、子供を関わらせなくても作成
することもできる。だからです。

 みなさまからの情報・ご意見をお待ちしております。<m(_ _)m>


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ジャンル:フィクション
危険度:小

 目覚ましが20分ぐらい奮闘してくれたおかげで私は何とか間に合う時間に目を覚ますことが出来た。急いで身支度を整え、出されたごはんに味噌汁をぶっかけて流し込んですぐ家を出た。
 自転車に乗って私は、駅ではなく直接バイト先に向かって走る。家の人間に黙っているのは下手な心配をさせないため、それからもちろんバイト先にも本来使うだけの交通費を横領していることになる。自転車での通いはもう馴れたモノで、むしろ普段の運動不足を解消するためにもこの生活は手放せないものになってしまった。人間なんて言うのは程良く嘘をついて生きていくのが利口なのである。

 そういえば今日がエイプリルフールであるということを、自転車を走らせながら気がついた。空はすっかり晴れ上がり、太陽はもう高いところを泳いでいる。私は今日は遅番なのだ。私はとあるパソコンショップでアルバイトをして生活している。デパートなんかの小売店では勤務時間が開店時間にあわせて何通りか設定されているものであり、遅番というのは昼飯頃から閉店までの時間帯、ということになる。
 しかしエイプリルフールとは言え、とうてい気の利いたジョークなど飛ばしている余裕は今日もないのだろうな、と少し寂しい気分に駆られながら思ったりもした。

 職場に着くと受け渡し口では搬入作業が行われていた。狭い裏道はトラックで完全にふさがれ、搬入口からエレベーターの手前まで荷物を積んだマテハンが乱雑にとん挫している。私は業務の連中に軽く挨拶を交わし、そのままマテハンの間をすり抜けて階段を下りていった。
 階段から通じる下の階には庶務課とロッカールームと商材倉庫がある。今商材倉庫となっているところは本来売場として使われていたのだが、業績不振のためにフロアーを潰し、空いたスペースをそのまま倉庫として使うことになった。この業界も不況はやはり深刻なのだ。
 着替えを済ませると庶務課に行き、タイムカードを通した。庶務課の職員に出勤を告げると、そのおねーちゃんは「あ、むらちおはよー」と声を掛けてくれた。「何だか今日はやけにたくさん入ってきてるね」と私が切り出すと、彼女は「え、お客さん?」と切り返してきた。
「いやいや、そうじゃなくて、荷物が」
「ああ。だってほら、あさって広告出して売り出しやるし」
「え?そうなの。そりゃー知らなかった。昨日一昨日は休みだったからなー」
 こういうところの仕事なんて言うのは結構いい加減なもので、特にアルバイトにもなると売り出しやイベントのことなどつい前日まで伝えられていなかったと言うことが多い。
「まぁとにかく。そんなに搬入が多い日に雨なんか降って無くてよかったよかった」
 などと何だかとりとめもなくよく分からないことを言いながら私はその場をあとにした。この階にもエレベーターはあるのだが、エレベーターは頭が悪いのでこの階で呼び出すと非常に時間がかかるので、いったん階段で1階に上がってからエレベーターに乗るようにしている。

 1階に上がるとついさっきまでマテハンが敷き詰められていて足の踏み場もない状態だったはずの受け渡し口がきれいさっぱりともぬけの空になっていた。私はそれを見て「あれ?」と思い、業務の一人に声を掛けた。
「早かったねー、あれだけあったのにもう片づけちゃったの?」
 すると業務の彼は不思議そうな顔をして、
「へ?片づけちゃったって?何のこと?」と言った。
「え、だってさっき、何だかたくさん荷物搬入してたじゃん」
「搬入?いや、まだどこからも荷物は届いてないよ」
 私は何だか狐につままれたような心境になってきた。彼はさらに続けた。
「いやー、外は凄い嵐でさぁ。聞こえるでしょ?この音。それでどこのトラックも交通が遅れてるみたいなんだよね」
 私は「そんなはずは!?」と思い、そういえばシャッターの閉じられている搬入口の外を勝手口の扉から覗いてみた。外は、…確かにものすごい嵐で、とても私が自転車で乗ってこれるような天気ではなかった。

 しかしおかしい。私が来るときはあんなにきれいに晴れ上がっていたのに。

 フロアーにあがると相変わらず常連の何も買わずに帰っていく客が数人居るだけでとっても平和な空気に満ちあふれていた。しかしそれでも絶対なにかしら忙しい状況に持ち込まれるのがこのバイトの不思議なところで、まぁ売り出しが控えているしどうせPOP作りでもやらされるのだろう。
 フロアーマネージャーの人に挨拶を交わし、とりあえずの仕事の指示を受けた。案の定、売り出し広告に載っている商品のPOP作りを頼まれた。客商売でこういうデスクワークを頼まれると、あっちこっちに引っぱり出されるたびに元の場所に戻らなければならなくなる分余計に走り回らなければならなくなり、頭もこんがらがって非常に難儀なのである。まぁしかしそれも仕事ならばいた仕方あるまい。
 挨拶ついでに思い出したのはさっきものすごい嵐だったことだった。そこでフロアーマネージャーの人に、
「B体制でお願いします。外、凄い雨降ってるんで」
と報告した。

 踊り場の窓から見た空はすっかり晴れ上がっていて、下界は水たまり一つなかった。

 私はいよいよ気分が悪くなってきて、酷い頭痛と吐き気を起こし始めた。POP作りにも身が入らず、レジで危うく渡す商品を間違えかけ(隣にいたバイト仲間の指摘で何とか間違わずに済んだが)、こりゃもう駄目だと思った私は出勤して1時間で早々と早退することになってしまった。

 退社するときに庶務のおねーちゃんに「気分悪くて……」と漏らしたからなのだろうか。自転車に乗ったところで頭痛も吐き気もなくなっていることに気がついた。ここに来てようやく気がついたが、どうやら私が口に出して言ったことは何もかも嘘になってしまうらしい。こういう奇妙な日は大事にならない内にさっさと家に帰るべきなのだろうが、このような状況が自分の中ではどうにも信じられず、とりあえず時間が空いてしまったのでその辺をぶらぶらすることにした。
 おなかがすいていたので、とりあえず近くの牛丼屋に入って食事にすることにした。
 入る前にふと気がつき、カバンの中からメモとペンを取りだして、さらさらっと「牛丼大盛りタダ券」と書いた。中に入って椅子に座り、お茶を持ってきたお兄さんに牛丼大盛りを注文した。食べ終わってお会計。さっき書いたメモを懐から引っぱり出し、そして一言。
「ごめん、こんなの使えないね」
 すると店員は少し不思議そうな顔をして、
「え?あ、いや、それ、当店でもお使いいただけますよ。どうもありがとうございました」
といってこのふざけた紙切れを受け取った。
 まさかこんなにうまくいくとは思ってなかったので内心ちょっとびっくりしたが、なるべく表情を表に出さないようにして店を出た。これはなかなか便利だなと思い、味を占めた私はとりあえずこれと同じ手口でデパートを回り、革靴やスーツなどを金じゃないもので買いあさった。

 駅前では脂ぎったおっさんが街頭演説をやっている。エイプリルフールにやったって説得力無かろうに。

 買い物に明け暮れているうちに夕方になってしまったので、そろそろ帰ることにした。
 高架の線路に沿った道を、何だか重たい荷物を背負ったままゆっくりと自転車を転がした。街灯はすでにともされていて、対向車線を走ってくる車のライトがまぶしい。辺りは平和そのもので、「平和だなぁ」と思わず口に出してしまいそうなくらいだった。しかしそれを言ってしまうと突然北朝鮮辺りからミサイルが飛んできて戦争がおっぱじまりそうな気がしたのでなるべく言わないようにした。
 ところが人通りのない交差点の赤信号で止まると、高架線路の下で顔のまずい少女が恐そうなチンピラ4、5人に絡まれているのを見つけた。
 私は(普段の自分なら絶対そんなことはしないはずなのだが)何となくその様子に興味を引かれ、寄っていって間抜けな声で「どうしたんすかぁ〜?」と声を掛けてしまった。
 チンピラの一人が振り向いて、「あぁ!?見せもんじゃねーぞ」と怒鳴った。少女は本当に不細工な顔で、それが容赦なくたこ殴りにされたらしく顔中血まみれ・痣だらけだった。
 私はとりあえず「こんなブス女ボロボロになるまでいたぶってどーするンですか」と言った上で、「私はケンカはからきし駄目であなた達より格段に弱いのでやり合うつもりは毛頭ありません」ときっぱり意思表示をした。本来なら本当で馬鹿正直なことを、今日は絶対に嘘になるという確信を持って。
 一番偉そうな男が寄ってきて、「おまえ、自分の言っている意味がわかっとんのか?」と言ってきた。そこで私は見せしめにその男に正拳突きを食らわせてやった。本来ならへなちょこパンチでしかないはずだがその日は予定通り相手を高架線路の壁にまで打ちつけて気を失わせるのに十分の威力を持っていた。

 チンピラ連中が逃げていってしまって、私は彼女に事情を聞いた。少女は私が言った一言のおかげで顔中についていたはずの血や痣がすっかり消え、ぴんぴんしている上に、とても可愛らしい顔になっていた。
「借金をしているんです」彼女は言った。「この顔でしょう?だから男にもてなくて、だからだまされてしまったのね」
「そういえば、さっきは酷いことを言っちゃってごめんね」こいつ歳いくつだ?とか思いつつ、私は言った。
「いいえ、まずい顔なのは事実だから……」彼女は言った。彼女はまだ自分の顔が私好みに変わってしまったことに気がついていないのだ。
「それより、助けてくれて本当にどうもありがとう。ケンカ、強いんですね」と彼女は続けた。
 私は彼女のその笑顔を見て、少し考えてしまった。何かが許せない、と、自分の今の状況に初めて苛立たしさを感じた。
「……嘘なんです」私は口を開いた。
「え?」
「嘘になるんです。私が言ったことは」
「ウソ?」
「あなただって鏡を見てみれば気付きます。私の言ったことはすべてウソになる」
 私は半ば興奮して続けた。
「見て下さいよ、この革靴。普通に買ったら3万円もする品物です。スーツだって一流品の。これついさっきデパートでもらってきたんです。買ったんじゃない。指を差して、これはここの売り物であって、私のものではないですよね、って言っただけで手に入ったんです。それだけじゃない。現にさっきまであなたはあんなにボロボロで顔中痣だらけだったのに、今じゃあこんなにぴんぴんしているじゃないですか。しかもとても可愛らしい女性になっている!」
「か、可愛らしいだなんて、そんな……」少女は恥ずかしそうに顔を赤らめて答えた。私はそこで初めて「しまった!」と思った。あんな事を言ったらまた彼女はボロボロになって、しかもおブスちゃんに戻ってしまうではないか。

 ところが、彼女の外見に変化の様子は見受けられなかった。

「私が言ったことは嘘になる」
 この一言を口にすることが、私に掛けられた呪いを解くカギだったようだ。
 私は彼女と別れを告げると、自転車に乗って走り始めた。
 日はもう完全に沈んだようで、月明かりをかき分けて星たちが自己主張を始めていた。鼻歌を歌いながら自転車を転がしていると、腹の虫がぐうと鳴った。そこで私は笑いながら、「あー腹減った」とわざわざ大声で叫んでみたりしたのである。その一言で、突然満腹感に襲われるようなことがないことを確認しながら。


 (少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した)

ジャンル:詩
危険度:大

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した


少年は女教師に犯された
少年は女教師に犯されたと思っていない

女教師は少年を犯した
女教師は少年を犯したことを、悪いことだと思っていない


少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

少年は女教師を犯し、女教師は少年を愛した


法の犬は女を刑務所に閉じこめた
世間のメス豚共は口をそろえて女を避難している

少年の心には深い傷が残った
愛する女を守れなかった自分が悔しくて


事実は

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

一つだけ

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

真実は

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

一つじゃない

少年は女教師を犯し、女教師は少年を愛した


古くは魔女狩りの時代から
いつの世も偏見は法をも冒している

トレンディードラマでは
愛は歳の差なんかじゃないとかきれい事をぬかして


実際には子供は大人の愛に触れることを許されない
実際には大人は子供に愛を味わわせることを許されない


法の犬は女を刑務所に閉じこめた
世間のメス豚共は口をそろえて女を避難している

少年の心には深い傷が残った
愛する女がそばにいない今が切なくて


事実は

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

一つだけ

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

でもこれだけは

少年は女教師を愛し、女教師は少年を犯した

真実


少年は女教師を愛し、女教師は少年を愛した