99年1月5日(火曜日)


 風邪引いて寝込んでいる間に、銀行は年末休業に入ってしまいました。いや、30日はまだやっているんだったかな?って実は未確認なのですが、まぁでもやってても手数料取られそうな気もするし。今年はそれを予測してある程度おろしておいて正解だったです。
 これで妹にあげるお年玉も確保したわけだ、、、あぅ、出費が(泣)。

 しかし今年はさすがに年賀状までは気が回り切れませんでした。
 一応、ここに今年の年賀状を掲示しておくので、どうぞご自由にもらっていって下さいな。
 でも、年賀状って取りに行く物じゃなくて、送る物であるような気が、、、(^_^;)


日付け別indexに戻る

最初のページに戻る

まるのみに戻る



 日本の18禁

ジャンル:実話・論評
危険度:大

 高校のとき、友達に、本気でこんな疑問を投げかけたことがある。
「どうして見る側は18禁っていう年齢制限があるのに、出演する側には年齢制限がないんだろう」

 当時は笑い話で終わってしまった。きっとパッケージに「17歳」だの「16歳」だの、「女子高生」だの「子ギャル」だのと書いてあっても、どうせ実際は20オーバー、下手すれば10歳以上さばを読んでいるおばさんだったりすることも多いから、そんなことはほとんどあり得ないだろう、ということで話は終わってしまったのである。
 しかし大学に入って、インターネットに接続して情報を集めるようになってまずびっくりしたのは、どうもやはり年齢制限未満の少女の過激なヌード写真、官能ビデオのたぐいは実は結構あるらしいぞということなのである。
 インターネットだけではない。地元のビデオやさんでも、ロリータビデオは結構流通していたし、ロリ系でなくても本当に女子高生が出演するエロビデオが、結構有名なブランド物になっていたりするのでなおさらびっくりだ。

 最近になってやっとここら辺の法律が固まってきたようなのだが、インタネ経由で情報を聞く限り、どうも方向性としては「18歳未満のポルノ作品への出演、及び関係すること」を禁止するのではなくて、「18歳未満の少年・少女を対象とした性描写、及びそれに類する表現」を禁止しているらしく、つまり18歳未満の人間が過激な性的行為を行っている場面を表現している物であると認められた時点で、(それが写真であろうがビデオであろうが絵であろうがアニメであろうが文章であろうがCDドラマであろうが)犯罪になる、ということらしいのだ。

 で、多くのロリCG作家のホームページ(笑)ではこの法律を「自由な表現を妨げる物である」として断固反対しているらしいのだが、私としては自由な表現にルールを敷いて、限られた平等な枠の中で自分らしい表現の模索が試されることは文化的見地に於いてもすばらしいことであると思うので全く反論の余地はないのである。
 しかしこの法律が、もし私の解釈で間違いでなければ、これはとんでもないざる法であるといわざるを得ない。
 今までだって、年増のAV女優の年齢をさばを読んで売ってきたわけである(あるいはそういう演出か?)。今度はその逆をするだけだろう。すでに市場には「18歳」と書きながら、いやしかしこれはどう見たって小学生か中学生だろう(;_;)/としか思えないような少女のヌード写真集が出回っていたりするのである。これまで幼な漫画を書いてきた作家さんだって、今後も同じ絵柄のまま「実は18歳の若奥様」「一見幼なおふぃしゃる・れでぃ」などの無理のある内容の無理・無茶・無謀な作品を作り続けて生き延びて行くだろうし、何しろコミックは規制が一時的でいい加減だからね〜。以前もあんなに叩かれたのに最近堂々と性器を描写してそのまんまの漫画が結構あるからね〜(^_^;)。まぁどうでもいいけど。

 しかし年齢制限関係で一番腹を立てるのは、なんといってもメディアごとに規制の度合いが違いすぎるということだ。

 一番びっくりしたのは、もうだいぶ古い話になるが、「卒業2」(確か発売元はNEC系列のソフトハウスだと思った)という、教師になって女子生徒を教育して立派に卒業させるというシミュレーションゲームがあって、前作が大ヒットしていたのでこのニュースを覚えている人も結構いると思うのだが、発売前に、(別にエロゲーであるというわけではないのに)突然18禁にされてしまったのである。
 で、その理由というのがいかにも調子ぶっこいたお役所さん的で、「未成年者が飲酒しているシーンが描写されているため」ということなのである。この飲酒シーン、一部のキャラクターが不良化したときに出るイベントで(だったと思った)、ゲームの進行上どうしても必要なシーンであるためカットするわけにも行かず、泣く泣く有害図書指定を受け入れた、ということなのだ。
 しかし未成年者が酒を飲むシーンというのは結構ドラマなんかでも平気で放送されているとっても一般的な描写で、しかもそれを敢えて禁止、もしくは制限しようという意図がいまいち見えてこない。「飲んでいるシーンを見せられると、飲みたくなる」などという腐った見解が出されていたがそれは普段飲みまくって中毒になっているおじさんたちの思考であって、それなら有名俳優たちがのどを鳴らしながらビールをごきゅごきゅ飲み下しているCMの方が真っ先に規制されなければならない。結局は本末転倒なのである。
 で、実際発売日からしばらくの間は本当に18禁シール付きでアダルトコーナーに追いやられてしまった訳なのだが、しばらくしていつの間にかR指定にされていたのは、やはり消費者の反感があまりにも強かったのか、メーカーがもう一押しがんばったからなのか。それにしたってR指定なんていうのはもっともいい加減な年齢制限で、やっぱり作品の内容をいまいちうやむやにしてしまっている機関のいいかげんっぷりを露呈しているとしかいいようがないような気がしなくもないのだがはてさて、、、


 お年玉

ジャンル:フィクション
危険度:無

 初日の出見物から帰ってきた俺は、家族に新年最初の挨拶を交わした後、ぶっきらぼうにも部屋に閉じこもって爆睡状態に陥った。目が覚めたのは夕方7時過ぎで、すでに家族の新年会も締めのお茶漬けで幕を下ろそうとしている。
「あら、もう今年は起きてこないかと思ったのに」
 そんな冗談を言いながら、母親が厚みのある大入り袋を僕に手渡した。何でも先ほどまで家に来ていた祖父母から預かっていたのだという。僕は寝ぼけ眼のまま、いまいち現実味のわかないその厚みのある袋を手にしながら何となく首を傾げてみたが、あとでその中には12人もの福沢諭吉が押し詰め状態で押し込まれていたのを確認してただただ目を丸くした。

 地元通いの大学生に、こんな大金をよこして何に使えというのだろう、、、

 しかし銀行が営業を再開する日に、僕はそれらを結局は貯金することにした。何に使うという当ても、思いつかなかったからだ。年末にアルバイトの給料が入っていたこともあって、預金通帳はその額が30万円を超していることを告げていた。
 服でも買えばよいのだが、、、それとも思い切って原チャリか?免許を取りに行くという手もある。しかし、何となくつまらない。いまいち「これに使いたい!」というビジョンが浮かんでこないのだ。

 大学が再会すると、新年とはいえやっぱり変わらぬ生活が待っていた。友達との会話でお年玉の話題を出すと、やはり比較的どこの家でも、祖父母からかなりの額の収入が得られたということが判った。それだけ今のご老人はたくさんの年金をもらっているということであり、しかしそれは直属の家族の間接的な収入にもつながるものだから実は悪いものではないのではないか、という結論にまで達した。全くもって今の政治家様々である。
 ただ、ほかの連中はその新年恒例の臨時収入をそれなりに活用しているらしかった。あるものは趣味のつりの新しい道具を買い、あるものはパソコン(自作機)のためのパーツを買い、あるものは最新作のブーツを買い、そして中には風俗に貢いだ、パチンコで全部すった、借金に充てたなどという非常に生活じみた使い方をするものもいた。
 みんなはそんなことを、とてもはつらつとした表情で会話していた。それぞれがそれなりに、臨時収入を自分のために使っていた。俺はそんな連中が、何となくうらやましいと思った。

 金を使う当てが、思いつかない人生。

 祖父の喜寿のお祝いに、家族で外食することになった。家を出る前に冗談でスポンサーになろうかと訊くと、父親がひどい剣幕で怒った。
 俺はまぁ、無理もないと思った。少なくとも俺はこの家族ではそういう立場の人間ではない。だから冗談のつもりで言ったのだ。
 ただ、そうまでしてでもあの大金を使ってしまいたいという気持ちは、俺の中のどこかに突っかかっていた。

 テスト期間が終わると、俺は何か買い物でもしようと思い、とりあえず新宿に出てみた。
 高島屋の東急ハンズを適当にぶらついてみたが、これといって特にめぼしいものは見つけられなかった。西口側の電気店街などもぶらついてみたが、無駄な徒労に終わった。このまま秋葉原に行って適当に同人誌でも買いあさるか、お茶の水の楽器屋にでも行くかなどと考えていたら、急に東京タワーにのぼりたくなってきた。
 そこで今度は地下鉄に乗り、御成門へ行ってみた。
 遙かに高くそびえ立つ東京タワーを見上げながら、あのてっぺんから福沢諭吉が降ってくる光景を想像した。一度はやってみたい男のロマンというやつだ。しかしおそらくあの塔のてっぺんには、金を都合良くばらまけるような場所は用意されていないだろうとも思った。中に入ればガラス張りの展望台ぐらいしか行く場所はない。
 結局俺は、東京タワーを見上げただけで何だか満足してしまい、そのまま帰路に就いた。

 地元の駅に着いた俺は、そういえばまだ今年は神社にお参りもしていなかったことを思い出した。もうすでに日は暮れてしまったが、近くの神社に寄って行くことにした。
 神社には参拝客はほとんど見つけられなかった。鳥居をくぐり、賽銭箱の前に立って、少し考えた。
 俺は、そのときものすごく落ち着いた表情をして、財布からありったけの札束を抜き取り、それを賽銭箱に放った。
 そして、鈴も鳴らさず手も合わせず、振り返りその場を離れた。気がつくと、まるでその場を逃げ出すような慌てぶりで俺は走り去っていた。

 自転車をこぎながら俺は、何だかものすごい悪いことをやらかしたあとのような、妙な満足感に駆られていた。
 冬の乾ききった夜空には満天の星でさえも、煌々と輝く月の光に怖じ気づいているようだった。
 風はいっそう冷たく、俺の無防備な耳たぶを強く刺激し、吐く息を白く凍らせた。そんな冷たい夜にも関わらず、俺は興奮し、その顔は、すっかり火照っていた。