98年12月22日(火曜日)


 先日、大学の「友達の友達」のところで、デジタルMTR「VS-840」をいじってきました。
 4トラック同時録音、8トラック同時再生、64トラック編集可能、各種エフェクター搭載、24ビットオーバーサンプリング……。なるほど、11万円もするわけです。なんと言ってもデジタルなので、ミックスダウンするまではトラックごとにいくらでも編集できるのがうれしい!
 そんなわけで、MTR、欲しくなってしまいました(笑)。
 ただ、やっぱりZIPだと容量に制限があるような気がしたので、やっぱり大容量のハードディスクを内蔵して、大容量の外部記憶(JAZとか、MOとか)に対応したSCSIを持つものがいいですね。

 でもそれ以前に、DTM楽器しか持っていないんじゃMTR使う意味もあまりないんですけどね。(((((/;^^)/


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 FMV

ジャンル:評論
危険度:小

 日本一のシェアを誇る(とメーカーが主張する)国産AT互換機ブランド。

 もっとも国産とは言えその中身のほとんどは海外の下請けメーカーから買い入れている物を使用しているのであんまり意味はない。しかもあっちゃこっちゃからとにかくコストパフォーマンスのみを考えて仕入れているので、最新モデルでも必ずどこかしらのパーツが欠陥品だったりいまいち使えない物だったりする。たとえばCD-ROMドライブがオーディオトラックのデジタル転送に未対応でUSBスピーカーからCDが再生できなかったり、ちゃちいサウンドデバイスのためにVSC-88をインストールして起動すると数秒後にハングアップしたりする。

 まぁこういう部分はほかのATメーカーにも言える部分なのでもう諦めてはいるが。

 M・バレー以外のお店で働いている人には是非とも聞いてみたいのだが、AT互換機を客に勧めるとき、そのお客に「どこのメーカーがいいんですか」「このメーカーのパソコンはどんな特色があるんですか」と聞かれたとき、どんな風に答えているのだろう。
 たとえばSONYのAT機はAV機能を特化させた商品が多い。現行のラインナップはiLINKからデジタルビデオがつなげられたり、光デジタルオーディオ出力がついていたりと、明らかにほかのメーカーにはない特色をいち早く採用してくれる。SONYが今一番売れているのはそういう部分があるために、店員が一番お客に勧めやすいと言うのも要因としてあげられるのではないだろうか。

 最新のFMVでは17インチモニターにダイヤモンドフラット管を採用し、デスクトップ型モデル(Sモデル)ではVRAMがすべて8MB搭載された。ここに来てやっと、TOWNS時代までやってきた「CG機能の先行特化」を仕掛けてきたのである。あまりにも遅すぎる戦略! しかもやっぱりいまいち中途半端な感が拭えない。結局はこれも基本性能の背比べにすぎないのである。
 私はFMVを売るときは、搭載されているソフトウェアについて説明するようにしている。単に「たくさん入っています」と言うだけではない。それではあまりにもインパクトに欠けるのだ。
 たとえば今回採用された「AUV」という不治痛自社製の環境ユーティリティーはなかなか優秀なソフトで、特定のソフトしか起動できないようにするプロテクトモードのほか、ソフトごとに省電力機能やスクリーンセーバーを禁止させられる機能、ダブルクリックをしやすくする機能など、「使いやすさと安全性」に対する不治痛なりの工夫を感じることができる。これまで不治痛がFMVでやってきたことを考えればこれは珍しく意欲的な代物であると思う。
 元々不治痛というメーカーはソフトウェアの分野では、特にユーザーインターフェースという面において優れたソフトをたくさん世に送り出してきたメーカーであり、FMVでも過去に搭載していた「ペガサス」を知っている人がいればうなずいていただけることと思う。あれも勝利95のGUIを全く違う物に代えてくれる「独自GUI」を提供するという、後々考えればものすごく挑戦的な代物で、いつの間にか搭載されなくなってしまったのはきっとMS社から圧力がかかったんだろうなぁなどと勝手に想像する次第。

 もしもFMVが本当に日本で一番普及しているAT互換機であるならば、不治痛はもっといろんな面でこの業界に果敢に仕掛けるべきではないだろうか。
 FMVが以下のリストにあるようなことを実行してくれれば、この業界はもっと良い意味で活性化してくれると思う。

 最後2つは冗談ですが(笑)、仕掛け人としてこれぐらいやってくれれば、もっとパソコンを楽しめる人たちも増えて来るんじゃないかなぁと思うのですがいかがでしょう?


 ウサギ

ジャンル:SF
危険度:大

 2本足で歩行し、皮膚には白い柔らかい体毛が生え、朱色い瞳と長くて薄いヒゲを持ち、耳は頭から天に向かって突き出るように長くのびている。背は低く、成長しても身の丈2フィートもない。頭は決して良くはないようだが、それでも人間の使う言語をそのまま理解し、話すことができる。
 困ったことに、彼らのオスは人間の女性にしか欲情しないし、彼らのメスも人間の男性にしか欲情しない。それが、かつての純生成種ではなく、人間との中途半端な雑種ばかりが増えてきた要因でもある。彼らは鏡を見ることを嫌い、自分たちの種を本能的に醜い異種であると認識する。

 ウサギがウサギを飼う、そんな光景さえも見かけることがあるくらいだ。

 そう考えるとかつて先人たちがしてきた奴隷制度というのも、今の彼らと同じような心境から生まれてきたのかもしれない。先人はありもしない「神」のみを愛し、神により近い地位の者のみを愛してきた。そしてそうした価値観は、ダーウィンの「真実」によってうち砕かれることになる。

 それはともかくとして、ウサギたちはそんな自分らを創り上げた人間を敬いもし、そして憎んでもいたのかもしれない。人間は人間の価値観でウサギの脳の遺伝子を創り、そのためにウサギは、自分を愛することができなかったのだから。

 しかし、本当に困ったことだ。

 ウサギの平均寿命は約8年である。ウサギは自然界の他のほ乳類と比較すれば決して成長は早くはないが、それでも生後1年と2〜3ヶ月後には思春期を迎え、2年目に入る頃には立派に成人する。つまり成長のスピードは人間のおよそ10倍と考えて差し支えないだろう。
 そして面白いことに、3年目、4年目に入れば一見するだけでも十分判るぐらいに老ける。特にメスの老け方は顕著で、皮膚が乾燥してしわが寄り、皮下脂肪が付きやすくなる。また1度出産したメスも肌荒れが激しく体毛が抜けやすくなる。ここら辺の部分が非常に人間にそっくりなのだ。
 しかしそんな風に老けていって、5年目、6年目、さらには7年目に入っても、彼らの生殖機能だけは立派に機能し、しかも成長し続ける。言い忘れていたが彼らのメスの生殖器には処女膜がなく、また欲情するのもオス・メス共に発情期のみである。しかし交尾にかける時間は人間並みに長く、また人間のように「セックスを楽しむ」という価値観も存在するらしいのだ。

 これが、非常に困ったことなのである。

 ウサギのメスと交際するようになって今年で5年目にはいる。彼女は今6歳と6ヶ月、人間の年に換算すれば俺の母親よりもずっと年上、ということになる。もちろん顔は老け、声はしわがれ、最近は2本足で歩くのもつらくなってきたようで、腰を曲げて杖をついて歩いている。
 別れられないのは、彼女が離れてくれないからだ。
 そして季節は、春を告げていた。

「ねぇ、ユキオ君」
 しわがれた声でウサギのリリーがつぶやく。
「今ねぇ、シーズンなんだよ」
 ババァ顔をしていても、人生経験は6年しかない。しゃべり方も未だに子供っぽいし、精神年齢もきっとその程度なのだろう。
「……するのか?」
 露骨に嫌な顔になってしまったか? 俺は答える。
「もぅ、がまんできないよぉ」
 頼むからニンジンかじりながら濡らすのはやめてくれ。

 ババァ相手に勃つ訳がなく、仕方なく玩具で相手をする。喘ぎ声もしわがれ声。自分がもっとも虚しく思えてくるひととき。しかも妊娠させなければシーズンが終わるまで欲情し続けるため、これから数ヶ月はこっちの相手もしなければならないのだ。まぁ言ってみれば、病人の看護を毎年同じ季節にしているようなものなのである。

 実は自分の場合はまだましな方で、哀れな知人の例をほかにいくつか知っている。
 俺はリリーがまだ若かった頃、ちゃんと避妊していたからそんな目にはあわなかったが、しっかり妊娠させてしまったおかげで今は20人あまりのババァ顔のウサギを相手にしなければならないやつがいるのだ。しかもそいつには妹がいて、自分が生んでしまった雄のウサギに犯されてしまったという。
 今はウサギにも人間と同じ人権が認められてしまっているため、増えすぎたウサギを始末することもできず、悲惨な毎日を送っているらしい。