WiSP 紹介 #1


● (EISEI.49) WiSP 紹介 #1 (1994年 11月26日)
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 デジタル衛星をアクセスするためのソフトには、いわゆる「PB.EXE, PG.EXE」を初
 めとして各種のソフトがありますが、最近、ウィンドウズ上で動作する『WiSP』と
 いう通信ソフトが良く使われています。このソフトを衛星「KO-23, KO-25, UO-22」
 等へのアクセスに普段利用していて、その全体像が少しづつ見えてきましたので、
 ここで、この『WiSP』のセットアップとその概要を紹介いたします。

 なお、私はこの『WiSP』のヘルプテキストの日本語訳を完了して、すでにアメリカ
 の衛星団体「AMSAT-NA」と著者の「ZL2TPO / Chris Jackson」氏から、その翻訳と
 BBSへの転載許可を取得しました。この中に記載されていることも併せて、簡単に
 その要点をまとめ紹介します。『WiSP』の詳細については、英文「WISPHELP.TXT」
 および、すでに JDB(JAMSAT Data Base)等へ登録済みの、完訳「WISPHLPJ.TXT」
 をご覧下さい。

 (注)『WiSP』の最新版、および「WISPHLPJ.TXT」の改訂版『WISPHLPJ.NEW』の
    入手方法については、本編 FUROKU.20 を参照して下さい。(後日登録予定)

 この『WiSP』プログラムの全てに関する情報提供と、「WISPHELP.TXT」の情報につ
 いて、JR1ING/菊川氏、および、JH1QQN/飯野氏の各局に、多くの有益なご助言を
 いただいたことを、最初に感謝申し上げます。

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  1.『WiSP』を動作させるための推奨ハードウェアは、「IBM またはその互換機』
   で、推奨ソフトウェアは「英語版ウィンドウズ」ということですが、「日本語
   版ウィンドウズ」でも動作することを確認しています。まず、HDD に「WISP」
   というディレクトリを作り、ここに『WiSP』のソースファイルを収めてから、
   「PKUNZIP.EXE」で解凍します。

  2.「WISP」ディレクトリに解凍されるプログラムの内、主要なものは『GSC.EXE,
    MSPE.EXE,  VIEW-DIR.EXE,  MSGMAKER.EXE,  PROCMAIL.EXE,  MSGVIEW.EXE,
    UPDKEPS.EXE』の 7個 です。『WiSP』とはこれらの総称です。これらのプロ
   グラムが互いに連動し合って、種々のデジタル衛星をアクセスするための自動
   運用が実現しています。

  3.まず、AUTOEXEC.BAT にパスを通して、環境変数の「SET TZ=JST-9」を追加し、
   CONFIG.SYS に下の 3行 を追加して、コンピュータを 一度リセットします。
   そして、本編(48)の最初で述べたように、無線機, アンテナ, TNC を所定の
   手順に従って準備します。(本編(52)参照)

            FILES=70
            BUFFERS=70
            INSTALL=C:\DOS\SHARE /F:4096 /L:75  (ディレクトリは任意)

  4.ウィンドウズ上で、地上局コントロール(Ground Station Control)プログラム
   の「GSC.EXE」をアイコン登録した後、最初にこのアイコンをクリックすると
   「AMSAT」という大きなタイトル画面が現れます。その下の「Callsign」
   のボックスに自局のコールサインをまず入力します。次に、その下のボックス
   の「I want a trial」のバーをクリックして『GSC』を起動します。

  5.衛星団体の「AMSAT-NA」等から『WiSP』のレジストレーションナンバー(登録
   番号)の取得が済んでいる場合は、上記の段階で 「Registration Number」の
   ボックスにそのナンバーを入力して、「Register」のバーをクリックします。
   すると次回からは、この画面は現われません。(詳細は本編(51)を参照)

  6.次に、『GSC』の上部のメニューの左端の「Setup」をクリックすると、全部で
   17個 の細かい設定項目が現われるので、「MSPE TNC Setup」等の必要項目を
   クリックして全ての設定を行います。また『GSC』上で「HELP」をクリックし、
   上部の「検索(S)」のボタンをクリックして項目を選択することにより、その
   内容を確認することができます。

  7.例えば、「Satellite Setup」において、「Satellite Name, Broadcast Call
   sign, BBS Callsign」を入力して、さらに、その下の「Directory」ボタンを
   クリックして、「Directory Setup」の中の 10個 のボックスにおいて作成し
   たいディレクトリ名を入力すると、自動的に HDD 内に、そのディレクトリが
   作成されます。衛星へのアップリンク/ダウンリンク周波数は、ここで下部の
   「Info」ボタンをクリックして、その中で設定をします。

  8.さて、『GSC』画面上段の左から3つ目の「Tracking」をクリックし、そして
   「Run Pass」をクリックして、さらに目的の衛星名をクリックすると、マイク
   ロサット衛星プロトコルエンジン(MicroSat Protocol Engine)の『MSPE』が
   起動し、TNC の RED が点滅して KISS モードに入ったことを知らせ、表面上
   「PB」と似た画面が現われます。(自動起動方法については本編(50)を参照)

  9.「日本語版ウィンドウズ」で『MSPE』を動作させていると、フォントが異常に
   小さくなる場合がありますが、その時には『MSPE』画面上部のメニューの中の
   「Setup」をクリックし、さらに「Screen Font」をクリックしてその中でフォ
   ントを変更することができます。17 インチのディスプレイでは「フォント名:
   標準ゴシック、スタイル:標準、サイズ:11」が適当です。この設定は次回から
   も有効です。『MsgView』においても、画面上部の「Font」ボタンをクリック
   して、その中で『MsgView』上のフォントの設定を変更することができます。

 10. 『GSC』上で、「Setup」の中の「Broadcast Option」において、『MSPE』にお
   ける「Send Auto Fill Requests」等がデフォルトでチェックされていること
   を事前に確認しておきます。『MSPE』画面の上部左側のボックスでは、ダウン
   ロードしているファイルの進行状況を表示し、その行の左から「ファイル番号,
   ホール, 受信率, サイズ」を表します。

 11.また、『GSC』上で、「Setup」の中の「MSPE General Setup」において「Load
    View-Dir at start of pass」をチェックしておくと、『MSPE』画面上部左側
   のボックスに表示されている受信中のファイルの上で、左ダブルクリックする
   ことによって、そのファイルの情報を全て表示させることができます。

 12.上部右側は情報領域と言い、メッセージのうち自局宛は赤、自局発は青、優先
   度「P または A」のメッセージは緑、他の受信情報は黒で順次表示されていき
   ます。また、画面下部はテキスト領域と言い、衛星から送信される種々のテキ
   ストデータが順次表示されていきます。これは、『GSC』上で、「Setup」の中
   の「MSPE General Setup」の「Info」、あるいは『MSPE』上で、「Setup」の
   中の「General Option」の「Info」や、ここの「Broadcast Options」の中の
   「Customisation」の中の項目の選択で、表示の設定をすることができます。

 13.また、『GSC』上で、左欄の「Map」ボタンか、あるいは、上部の「Tracking」
   の中の「Graphic Track」をクリックすると、本編(50)で述べるケプラー要素
   データに基づき、衛星の軌道がきれいな世界地図上に可視円として追尾されて
   いきます。


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