猫日記・あっとの場合


93年6月、タメゴロー&あっと誕生。命名はもちろん「あっと驚くタメゴロー」から。その1ヶ月前から突然うちに住み着いたノラが、目前で産んだのである。妊娠していることもわからないような小さな猫だった。第一子を産み落としても一向に世話をしない母猫に(私がへその緒を切った)戸惑い、病院へ連れていくと、まだお腹にいると。結局、帝王切開であっと誕生。
母猫は手術のため約2週間入院。その間、子猫たちに授乳しなければならない。猫の授乳期間は1ヶ月程だが、人間の赤ちゃんとかわらない3時間おきの授乳である。この時は妹と同居していたので、交替で世話をする。さらに幸いなこと(?)に、私の会社が折しもリストラの嵐で医務室の先生がいなくなり、こっそり医務室で育児することができたのだ。(バレたけど)夕方は妹が一足先にお迎えにくる。寝不足の毎日。人間はこれが1年近くも続くのか、と思うとぞっとした。
針のついてない注射器からミルクを飲ませる。そして、肛門をを刺激して排泄させる。ところが、あっとに不幸がふりかかる。帝王切開のせいか、先天的にか、後ろ足とシッポの先にどういうわけか血が通わなくなり、生後1週間で壊死してしまったのだ。そのため、人間で言ったらくるぶしから先の部分を切断。しっぽも半分に。授乳に加えて傷の手当も加わり、2匹でも最低30分はかかる作業になってしまった。よちよち歩きになっても、常に床に足を着くため、傷の出血は一向に止まらない。この頃、うちは「惨劇の館」と化す。(床が血まみれ)