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   キリスト教に関するQ&A


 Q.18
東方正教会はどのような教会ですか? また、その救いは聖書が教える救いですか?

 A.
東方正教会は日本では「ギリシャ正教会」として知られていますが、正教会が育った地域によって、各地の正教会は教義的にも多少の違いのある個性的「正教会」となっています。ロシア正教会はギリシャ正教会と違ったところがあります。

T、正教会の歴史
 ローマ帝国の分裂(395年)後、東西のキリスト教会はそれぞれを取り巻く違った文化の影響もあって、秘蹟の様式だけではなく、教義そのものにも相違が出て来ました。かくして、1054年に東方正教会とローマ・カトリック教会とは、互いに破門し合う形で東西に分裂しました。
 正教会はその歴史からの当然の姿としてローマ・カトリック教会とは双子のような関係にあり、互いによく似た面をもっています。その一つとしてマリヤ崇拝があります。正教会はマリヤに
「セオトコス」(神を生んだ者)と言う称号を与え、最初にキリストを信じた者として「キリスト者の手本」とされます。そして、他の聖人たちと並んで祈りの対象とされます。
 カトリックがマリヤの像やキリスト像を拝むのに対して、正教会は像を拝みませんが、聖画(イコン)を崇敬します。そして、イコンにまつわる奇跡の話などが正教会内で尊ばれます。

U、正教会と人類の始祖アダム

 正教会の教義では人間の始祖アダムは完成された大人の人間ではなく、子供であるとします。彼アダムの罪は個人的な罪であって子孫に遺伝するものではなく、アダムの罪が人類にもたらしたものは「人は死すべき者となった」という事実でした。そして、その「死すべき性質」が人を罪に駆り立てており、人は教会の秘蹟と神の力(エネルギー)と生来の自由意志で罪に勝ち、神の性質を獲得できるとしています。

V、正教会の救いと聖書が教える救いとの違い
 正教会の救いは、聖書(福音)主義の救いとは違って、罪とその罰としての滅びからの救いではなく、正教会(の洗礼や聖餐式などの秘蹟)と神のエネルギーと信徒自らの善行(祈り、断食など)を用いた「神との交わり」によって「神に似た者」になる(不死のいのちを獲得する)ということです。
 従って、正教会には、十字架による罪のあがない、救い、新生、福音という概念がありません。それどころか、正教会においては十字架による罪の赦しの福音は断固として否定され拒否されます。正教会においては、神は認識の対象ではなく(知的に認識することは不可能であり)、教会の秘蹟によって神秘的に体験すべき方であるとしています。
 正教会から福音主義キリスト教会へ改宗したある信徒の祖母は、正教会の信徒として80年の信徒暦の中で一度もキリストの十字架を教えられておらず、「あの青年(キリスト)は何故十字架にかけられたのか」と孫に尋ね、孫の説明と証しによって初めてキリストの十字架の意味を教えられても、全く受け付けなかったということです。

聖書
 「十字架の言葉は、滅び行く者には愚かであるが、救いに与る私たちには、神の力である」(Tコリント1:18)。


東方正教会について聖書から検証している海外のサイト
What Evangelicals Should Know about Eastern Orthodoxy



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キリスト紀元2005年 10月 20日公開


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