HTS Presentation on the Web

日本薬理学会年会でのHTSシンポジウムの一題が再現!
 第74回日本薬理学会年会(3月21−24日パシフィコ横浜)のシンポジウムの一つとして、「HTS (High Throughput Screening) による創薬」(21日9:00〜)が行われました。薬理学会でHTSが取り上げられたのは初めてでした。その時の発表「HTSの特徴とアッセイ系」が、演者の許可を得て、ここに再現します。

 [本発表で意図したもの]−言い訳−

 薬理学会のシンポジウムと言うことで、まずは何を話そうかと考えた。まず思ったことは、薬理学会でこのセッションに来る人はどういう人だろうか?。これは正直なところ良く分からなかった。しかし、大学関係者はHTSの現実は知るよしも無いだろうし、また企業関係者にしてもHTSまたはスクリーニングのことは概ねあまりよく理解していないに違いない。スクリーニングに携わっていない多くの人は、スクリーニングは簡単なこと(露骨に書けばレベルが低い)とみなす傾向があるように思える。また、一般評価の感覚でスクリーニング評価を解釈しようとする人もいたりする。少ない時間で訴えることは難しいが、こうした誤った理解に対する何らかの視点は絶対nに入れたいと思った。薬理学会なので、やはり評価系(アッセイ系)に関係したことが良いだろう。しかし、単純にHTSの評価系を話すだけでは面白くないので、上記の視点を内容に盛り込んだつもりである。

 盛り込みたいと思った内容は、以下のごとくである。(コリャ欲張りもいいとこだぜ。)
@HTSで追求すること。その結果として、プレート高密度化とアッセイミニチュアへの傾向。
Aアッセイ系の仕組みとホモジーニアスアッセイの必要性。
Bホモジーニアスアッセイの具体例数種
CCCDイメージャーの紹介
D一般評価とスクリーニング評価の概念的違い。
Eリテストアッセイ(2次評価)での再現率の低さに対する人間の感覚の誤りとその合理的説明。
Fスクリーニング評価のアッセイ系が、一般評価アッセイ系よりも質的に高い必要があること。
Gアッセイ系の質的評価法に対する考察。

 取り敢えず最低限必要と思われるスライドを作ってみると、28枚になってしまった。演者の数で時間を割ると、一人20分である。こりゃ、どう考えても時間オーバーだ!きちんと説明すれば、1時間ぐらいの講演になってしまう。とにかく減らさなければいけないのだが、これが意外に悩ましい。何とか22枚にして、説明もかなりハショッてやることにして、ブツブツつぶやいてテストしてみると何とか20分ぐらいだったので、取り敢えず「よし」とした。(この過程で、SPAを盛り込むことは断念しました。アマシャムさんごめんなさい。)(私は原稿を作らない!などと書くとチョット格好良い感じがするが、実はただ面倒くさいだけなのである。ただ、一般的にも原稿はせいぜい箇条書き程度で最低限にした方が良い。述べたいことのキーワードを必ずスライドの何処かに書き入れるのがコツである。)

 さて、発表当日。分量オーバーは理解していたが、当日オーガナイザーの先生から「発表は16分でお願します。」と言われてしまった。ゲゲッ!さすがに22枚を16分は難しい。こりゃ、かなりの早口と更なる説明の効率化が必要だ!講演のハイスループット化だな!などと思いつつ。。と言うわけで、バババババと発表して、これでは何処まで、理解してもらえたかなー?多少なりとも私の意図を感じてもらうのは苦しいなーとの思いでした。(もともと難のあることなので、しょうがないか。。。)

 [では続いて、プレゼン on the Web をどうぞ]

Part1: HTSで追求するもの。高密度化への流れ。
Part2: HTSに適したアッセイ系1 - HTRF, LANCE, AlphaScreen
Part3: HTSに適したアッセイ系2 - AlphaScreen, FP
Part4: HTSのスクリーニング手順と特徴
Part5: HTSアッセイ系の質的評価

No.1

HTSでは最大限のスクリーニング効率を追求する必要がある。
そのためには、スクリーニングロボット等を使ったオートメー
ション、検体調製法やプーリングの利用、アッセイ系、
データー処理等の様々な過程で統合的に考えなくては行けない。

今日の発表では、その中でもアッセイに関連した項目について解説する。

No.2 高密度プレート化の流れ。
No.3 奥が384穴プレート、手前が1536プレートである。
これは分注のテストをした時の写真であるが、この分注器では、
30秒ぐらいで、プレート一枚の分注が可能である。
No.4

高密度プレートの測定では測定時間も問題になる。
新しい測定器としてCCDカメラによるプレートの映像から
各ウエルの測定値を算出するCCDイメージャーがある。

この写真は、Wallac社のViewLuxであるが、右図はその実際の
測定映像である。

他にも、Amersham社のリードシーカーなどがある。また、今日は
紹介する時間がないが、FRIPRやFDSS-6000といった機器があり、
高密度プレートでの細胞内Ca濃度の測定

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