HTS関連最新情報

SBS、波乱の中に終了。ワシントンから北に100Km弱のボルチモア市にて、SBSミーティングが9/10-13に開催された。そうです。あの Day of Terror が学会2日目にあたります。

 先ずは、不幸にもこのテロ行為の犠牲になられた方々に慎んで哀悼の意を表わします。私は、この行為は人類に対する挑戦であり、いかなる理由をもってしても断固として絶対に許しがたいものであると思う。(あとは雑雑雑記で。。。)

 さて、この学会も年々大きくなって、今回は約2000人の参加者で、オーラルセッションの他に約400のポスターがありました。ポスターをサラッと見るだけでも大変だし、物凄く広い機器展示会場を一通り回るだけでも大変です。
 今年を極めて簡単にまとめれば、「高密度化プレート・蛍光ホモジーニアスアッセイ・(イメージャー)の定着ということで、基本的には昨年の延長線上に位置される」ということであろうか。昨年と違ってきたのは、高密度プレート等を対象にした分注システムの充実、スクリーニングロボットのワークステーション型アッセイシステムへの収束というところである。従来高密度アッセイのネックになっていた分注器が現実的なものとしてなってきたし、ロボットシステムもベックマン・テカン・パッカードをはじめその他皆ワークステーション型になってきた。当然の成り行きだろう。展示会場で目をひいたのは、TAPの自動細胞調製システムである。数十の培養フラスコにて細胞培養を行ない、その細胞を回収して、プレートの各ウェルに設定した数の細胞を播種するという一連の過程を完全自動で行なうというシステムである。細胞工場という感じの凄すぎるシステムだが、すでに6台?納入しているとのことである。
 オーラルセッションは数が増えて、同時進行で2セッションのケースが増えたが、残念ながら質的向上は見られなかった感がある。大学関係の発表が増えたこと、ベンチャーの宣伝発表が増えたのがその理由の一つである。大学関係が増えたのは今回のコミッティーが敢えて意図したものであると推察するが、大学関係の発表はどうしても実践的でないのでこの学会にはなじまない。拒否してはいけないとは思うのだが。。。もう一つは、HTSもそれなりに成熟してきたということだろう。別の言い方をすれば、知りたいことは各社の機密に関わるようなことになってきたということである。そろそろHTSサクセスという話が聞きたいものである(話したくも、、)。(2001.09.20)
 ところで、SBSという学会は公式非公式を問わずスペシャルイベントが多いのが特徴である。毎日のように様々な趣向のパーティー等が催される。こうしたイベントに出て、様々な人に触れることがもっとも大切であると考えている。フォローしきれなかったセッション内容・技術・機器類等の情報、スクリーニングへの考え方、コンセプトの整理など、多くの人と会話する中で自分なりの考えが明確になってくる。過去のSBSがどれほど役に立ったかはかりしれない。今回のオープニングレセプションは模擬カジノという趣向で特にブラックジャックは十二分に楽しませてもらった。レセプションの帰りに乱入してきたカナダの変なおじさんは妙になれなれしく、結局いっしょにレストランで食べる事になってしまった。NoAb BioDiscoveriesという会社の憎めない感じのおじさんだった。その翌々日だったか機器会場でまたも捕まって、向こうは商売だが "keep in touch with me" といわれてしまった。というようなことも起こる。。。

 尚、来年の開催地はオランダのハーグに決定した。スペインではなかったですね。(2001.09.23)

SBSせまる! 世界で唯一のHTSを中心とした学会「SBS: The Society for Biomolecular Screening」の第7回年会が間近になって来ました。今回は第4回の時と同じくボルチモアです。今回も相変わらずスペシャルイベントが多いです。HTS関係者なら絶対行きましょう!!コンベンションセンターはハーバープレイス(ボルチモア湾岸)の近くで、湾に隣接した店々で、「生牡蠣や生ハマグリ、カニ肉サンド」などが安く食べられるので、食事が苦痛になりません。また、トンカチ片手にテーブル山盛りのカニをガンガンやって食べるのも此処ならではですね。水族館あり、科学博物館等などあって良いところですが、白タクに注意とコンベンションセンターから数ブロック南のホリデーインは危険ゾーンなので宿にするのは避けましょう。尚、日本からはワシントンダラス空港へ直行便で行って、そこからタクシー(約$100)が良いでしょう。間違っても、乗り継ぎでボルチモア空港へなんて止めましょうね。時間の無駄だし、トラブル原因にも成りかねないし。。。(でも、来年のSBSはスペインとのことです。連続で行けないなら来年のほうがよいかも。。。)(2001.08.26)

日本薬理学会誌8月号)に総説 -ハイスループットスクリーニングにおけるアッセイ− が掲載されました。この手の話では日本語では始めてです。読んでね!(2001.08.16頃?)

第15回創薬研究ロボット懇話会開催される。
 6月1日、協和醗酵工業・医薬総合研究所(三島)にて行われました。今回も約80名の参加者があり、シンポジウム・ポスターセッション・懇親会を通して活発なディスカッションや情報交換がなされた。シンポジウムでは、「化合物管理とHTS」をテーマに、自動倉庫や品質の問題等6つの演題があった。懇親会の料理が鮎やさざえなど豪華であったが、皆さん、話に夢中であったために、かなり余ってしまったのがもったいなかった。次回は、12月頃に味の素にて開催される予定である。(2000/06/02)

IDBS日本ユーザー会(IJUM)第2回総会、開催される。
 4月12-13日、ホテル日航金沢にて、IDBS日本ユーザー会第2回総会が開催された。3人の海外招待講演・国内のユーザー事例、ポスターセッション、勉強会など、和気藹々とした中で活発な意見交換がなされた。盛りだくさんで缶詰状態であったため、金沢に来た気がしないとの声があったようだが、深夜の金沢を体験した人もいたようだ。

HTSシンポジウム(日本薬理学会年会 2001.03.21)より
 
HTSの特徴とアッセイ系」の講演を演者の許可を得てここに再現。(2001.05.20)

日本薬理学会年会でHTSのシンポジウムが。。。
 第74回日本薬理学会年会(3月21−24日パシフィコ横浜)のシンポジウムの一つとして、「HTS (High Throughput Screening) による創薬」(21日9:00〜)が行われます。薬理学会でHTSが取り上げられるのは初めてかもしれません。特に大学関係では直接的な関係があまりないため、まだ十分な理解には至ってないと思われますが、すこしでもHTSやスクリーニングへの理解や感心が深まることを期待しましょう。


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第14回創薬研究ロボット懇話会開催される。
 12月8日、塩野義製薬中央研究所にて開催され、約80名が参加しました。今回は初のシンポジウム形式で、「アッセイテクノロジー」に関して8つの演題があり、細胞を用いたファンクショナルアッセイや1536プレートへの取り組み等の最新技術に関する活発な討論がなされたもよう。シンポジウムにポスターセッションとますます充実してきたようだ。ほぼ全員が参加した懇親会でも、活発な情報交換がなされていたようである。主催者の趣向なのか、良質のワインが6種類もあったのがとても良かったとの声も聞かれた。次回は、来年春に協和発酵で開催予定であるとのことである。(2000/12/10)

★第6回SBS (00/09/06-09 at Vancouver)終了する。
 HTS関係では一大イベントのSBSが去る9日閉会した。今回は約2000名の参加登録があり、かなり大きくなった感じだ。4年前のバーゼルでは約250名であったのが懐かしい。展示とポスターの充実が著しい。高密度プレートへの取り組みが目立った。1536穴プレート、画像処理型検出器(FLIPER, LEEDSeeker, ViewLux)の応用、蛍光エネルギー転移型測定法、蛍光偏光法というところが今年の特徴か。

 来年は一昨年と同じBaltimoreで開催される。その次はフランスとの噂です。

★第13回創薬研究ロボット懇話会(CRDD)開催される。
 さる7月7日、ウェルファイド社(旧吉富製薬)研究所(大阪市)にて開催されました。約25社100名のHTS、オートメーション関係の研究者が参加して、活発な情報交換がなされました。クローズドなので、詳細は不明ですが、今回は「HTSにおけるRIの使用と廃棄」「HTSデーターのマネージメントシステム」等についての討論がなされたようです。次回は、年末に塩野義製薬で開催されるとのことです。(2000/07/16)

★SBS(Society for Biomolecular Screening)第6回大会のプログラム決まる。

 プログラムリスト(ポスターセッション含む)のPDFファイル(245kb)

 国際的に唯一のHTS関連の学会がSBSです。HTS関係者にとっては超重要な学会です。今年は9月6-9日にバンクーバーで開催されます。この学会に参加すると日本にいるハンディを痛感します。日本ではベンチャーはできないし、全ての機器や技術は外国製だし、日本の業者は...だし、考えさせられてしまいます。SBSのような会が日本にないのが残念です。皆さん!そのうち何とかしませんか?

★雑誌「化学と生物」(学会出版センター)4月号より、”HTS技術の最新動向”の連載中。
 4月号:HTSとは?−概説−
 5月号:化合物管理とチェリーピッキング
 6月号:スクリーニングロボットと周辺機器
 7月号:HTRF

 8月号:SPAとLEADseeker、9月号:データーマネージメント
 乞うご期待!!。
(以上、2000/06/18)

IDBS日本ユーザー会(IJUM)第一回総会、開催される。
 3月2日〜3日 豊橋市・ホテル日航豊橋にて、CTCサポートのもと、昨年発足したIDBS日本ユーザー会第一回総会が開催された。国内約20社のActivityBaseユーザー約40名が参加、IDBS社からもCEO以下3名がUK,USより参加した。IDBSより将来構想、各ユーザー各社の使用状況報告、ポスターセッション、懇親会、2次会、QAのサマリー、新バージョンの紹介、ユーザーの事例紹介と充実したユーザー会であった。

2月29日 wallac社が時間分解蛍光法・LANCE、ウルトラHTS用測定器 View Luxの正式発表。
 従来のCIS社の試薬に加えて、wallac社の試薬が出そろい、やっと時間分解蛍光法の環境が整ってきたと言うところである。wallac社は完全にオープンな販売形態をとるので、契約ベースのCIS社も考え方を修正する必要がでてくるであろう。私はオープンな姿勢のwallac社を評価したい。
 View Luxは96穴プレートはもちろん、384、1536穴プレートも対応の期待のCCD Imagerである。しかし、発表はされたが、値段はまだ明確ではない。一億円弱と思われるが。。。

(以上、2000/03/04)