12月の園芸家見習



われわれ園芸家は未来に生きているのだ。
バラが咲くと、来年はもっときれいに咲くだろうと考える。
10年たったら、
この小さな唐檜(とうひ)が一本の木になるだろう、と。
早くこの10年がたってくれたら!
カレル・チャペック「園芸家12ヶ月」より



何もなかった庭に
バラが植えられ、ラベンダーが植えられ、
藤棚が出来、クレマチスが蔓を伸ばし、
雑草も元気良く、・・・。
でも、今年の庭は終わってしまった。
いや、来年の庭がすでに始まっているのだ。
今、雪の下で
秋に植えた球根は芽を出しているだろう。
枯れ枝にも花芽や葉芽がぎっしりのはず。
木の根は堅い地面を一生懸命
掘り進んでいるだろう。

園芸家見習のカタログにも新しい付箋が
いっぱい貼られている。


お気に入りの場所