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千葉地方裁判所民事第3部A2係御中
平成14年行(ウ)第50号 損害賠償請求事件
平成14年10月16日
準 備 書 面
原告 沢間俊太郎 被告 松戸市長 川井 敏久
@ 平成13年度分の賃借料について
松戸市から土屋亮平に対しての支払いは次のようになっている。
年 額 月 額
基本賃料(固定) 234,192,000円 19,516,000円
固定資産税・都市計画税 19,673,976円 1,639,498円
+)消費税 12,693,289円 1,057,774円
A 被告の違法行為について
1.
本契約は、第6条で固定資産税・都市計画税を合算した額を賃料としている。
2.
一方で、本契約第11条には「甲が負担する費用」として「建築物及びその敷地に課される公租公課」となっており、同一契約書内に矛盾が存在する。
3.
地方自治法第223条に「普通地方公共団体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴収することができる」とあり、松戸市はこれに該当する。
4.
地方税法第341条1に「固定資産」として「土地、家屋及び償却資産を総称する」とあり、本契約における建築物及びその敷地はこれに該当する。
5.
同第342条に「固定資産税は、固定資産に対し、当該固定資産所在の市町村において課する」とあり、本契約物件の所在地は本契約第1条「敷地」により、「松戸市五香3丁目7番1・2・3及び同3丁目8番2」であり、松戸市はこれに該当する。
6.
同343条では「固定資産税は、固定資産の所有者に課する」とあり、当該固定資産の所有者は本契約の貸し主・土屋亮平である。
7.
これらをまとめると、以下の通りになる。
B松戸市は普通地方公共団体であり、地方税を賦課徴収することができる。
C固定資産とは土地、家屋であり、「建築物及びその敷地」が該当する。
Dその固定資産所在の市町村である松戸市が固定資産税を課する。
E当該固定資産税を課せられるのは、固定資産の所有者土屋亮平である。
8.
憲法第30条「納税の義務」及び同第14条「法の下の平等」に則って、固定資産税は固定資産の所有者に等しく課せられ、納税しなければならないが、公共の用に供する為に国及び地方公共団体に対して無償の貸借契約を締結し、土地及び家屋等を提供する場合には、例外的に当該契約期間に限り非課税措置をとられることがある。
9.
しかるに本契約は有償であり、これに該当しないことはいうまでもない。
10. 本契約第6条を借り主(乙)松戸市側から考察すると、地方自治法第223条及び地方税法第341条乃至第343条に則って、貸し主(甲)土屋亮平から固定資産税・都市計画税を徴税しているのは事実であるが、平成10年度以降、本契約により全額を返金している。
11. 平成14年6月14日に開催された松戸市長選挙立候補予定者討論会で、被告が「建て主さん側からのお話ではございません」と自ら認めている通り、交渉の過程でやむを得ない結果ではなく、松戸市の自発的な申し出である。
12. 結果的に有償賃貸借契約でありながら非課税措置になっているが、原告が調べた範囲では、全国3000を超える自治体でこのような例は他に一件もなく、それゆえ「財界展望」が注目し、記事にしたのである。
なお、同誌に資料を提供したのは原告である。
13. 実質上の非課税措置により土屋亮平に返却された固定資産税・都市計画税の総額は平成10年度以降63,116,160円にも上り、13年度分は19,673,976円である。(内訳10年度分3,598,932円、11年度分20,276,520円、12年度分19,566,732円。)
14. 本契約第11条「甲が負担する費用」には「自然消耗による修繕費」「甲の責に帰すべき設備の修繕費」と明記されているが、実際は松戸市が「基本賃料」の一部として毎年定額24,704,000円を支払っており、「平成13年度修繕費・保険料・諸経費の各領収証の類については、貸し主からの提示はされておらず存在しない」として、負担の実態は確認されていない。
15. 同じく第11条には「施設賠償責任保険料」「火災設備機械保険料」「設備機械保険料」が甲の負担になっているが、保険金の受取人である貸し主が負担するのは当然である。
16. 所有者でない借り主・松戸市は保険金の受取人にはなれないにもかかわらず、これも「基本賃料」の一部として毎年定額4,659,000円を松戸市が支払っており、修繕費同様、実費負担の確認はされていない。
17. 下記は、借り主である松戸市が支払う必要のない13年度負担分の総額と内訳である。
固定資産税・都市計画税 19,673,976円
各種修繕費 24,704,000円
+)各種保険料 4,659,000円
合 計 49,036,976円
18. 一方で、本契約は地方自治法第234条第1項で定められている随意契約により締結された貸借契約である。
19. 同第2条には、第13項「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」第15項「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」第16項「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする」となっている。
20. 松戸市は本契約で「修繕費」「保険料」「固定資産税・都市計画税」を支払っているが、いずれも賃貸借契約の常識に反する行為であるにもかかわらず、これらの負担を自ら申し出ており、現在も賃料の一部として支払いを継続中である。
21. これは、地方自治法第2条第13項で規定されている最小の経費で最大の効果を挙げているとは到底いえず、第15項「法令に違反してその事務を処理してはならない」に該当するのは明らかで、第16項「これを無効とする」を適用するべきである。
22. のみならず、地方財政法第2条第1項「地方公共団体は、その財政の健全な運営に努め」に違反する重大な違法行為である。
23. 被告は、平成10年3月31日に本契約を締結し、平成13年度分の賃料を土屋亮平(甲・貸し主)に支払った際の行政及び財務会計の最高責任者、松戸市長である。
24. したがって、松戸市(乙・借り主)が土屋亮平(甲・貸し主)に対して、すでに支払い済みの平成13年度分の「松戸市健康福祉会館」賃料266,559,265円の内、49,036,976円(内訳17)は支払う必要のない経費であり、被告は松戸市に対して支払わなければならないのである。
B 監査請求までの期間について
1.
本契約は平成10年3月31日に締結されたものであり、地方自治法第242条の1第2項の「当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過」していることは認める。
2.
一方で、松戸市は本契約の詳細についての説明を故意に怠り、契約書の提示をしていない。
3.
当時、原告は本契約を審議する教育民生常任委員会に所属していたが、その参考資料の中に「基本的な賃料の算定」及び契約書はなかった。
4.
原告を含む委員に提示されたのは「賃貸借契約の主な内容について」に参考資料と右上方に記してあるのは、その証拠である。
5.
そこには、一方的に貸し主に有利で、借り主(松戸市)に不利な第8条「賃料の固定」及び第14条「契約の解除」さらに第18条「期間内解約」が故意に省略されている。
6.
原告が健康福祉会館側から提示され、詳細な説明を受けたのは平成14年5月21日、同会館の職員、矢作勝美からである。
7.
その際に提示されたのが「基本的な賃料の算定」であり、下部に記してある「5/21矢作」は原告が備忘目的で記入したものである。
8.
したがって、地方自治法第242条の1第2項の「正当な理由」に相当する。
上記原告本人 沢間 俊太郎
監査請求全文は
http://www.asahi-net.or.jp/~dv8t-isz/99guest/mr_sawama/dengon09-2.htm
監査委員会の結論は
http://www.asahi-net.or.jp/~dv8t-isz/99guest/mr_sawama/dengon11-1.htm