ペディオカクタス
  天狼

(アリゾナ州ココニノ郡)

 アリゾナ州には多い、ネイティブアメリカンの居留区内にあるコロニーです。一般には入りにくく、また採集などが厳しく罰せられる居留区のなかに、天狼の自生地は多くありますが、そのことは「保全」のためには好都合です。もっとも、彼らの多くは天狼の存在を知りませんが・・。
 このエリアは比較的平坦なレッドサンドですが、やはり石膏泥のテラスがすぐ近くにあります。アリゾナ中北部はおおむね赤土の荒原ですが、天狼は赤土といっても石膏泥のテラスと接する付近でのみ見つかります。石膏のテラスはこの付近の限られた場所にしかありません。従って天狼の分布域も狭いのです。一方、膨大な赤土のエリアにはスクレロカクタスのparviflorusが広く分布していますが、彼らの方は石膏泥の場所にはほとんど生えていません。そしてちょうどこのあたりが両者が分布上もっとも接近する場所になります。こうした住み分けがいったいどういう理由によるものなのか、興味深いところです。
 ここは、黒くて長い刺が目立つ個体が多く見られます。3、5枚目の個体は先の「South」のコロニーにあったものとほぼ同じ、径5センチくらいですが、ずいぶんと刺姿が違います。いちばん下の写真は径3センチほどの実生苗で、大地の亀裂に身を潜めるように生えています。休眠期は完全に溝のなかに隠れるでしょう。
 季節は5月下旬で、種を探したのですが、結実するとすぐに蟻が持ち去ってしまうようで、ごく僅かしか見つかりませんでした。
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 Pediocacatus sileri
   (Coconino Co. ARIZONA) ”West”

Many colonies of P.sileri are included in native American's reservation like here.This locality have beautiful long spine plants on relatively flat terrain of red sand. This place is also close to the gypsum terrace. It is interesting that P.sileri can be found only at the area of "gypsum".