ペディオカクタス
  天狼

(アリゾナ州ココニノ郡)


 先の「North」のコロニーよりも、数マイル南へ。標高も少し低い場所におりてきました。テラス状の台地が段々に標高を下げていく地形なのですが、ちょうど石膏泥の地層がレッドサンドに切り替わる場所です。写真には赤土に生えているものが多いですが、同じコロニーが石膏泥のエリアへまたがっており、いちばん下の写真は石膏泥なのがわかります。
 時期は5月初旬の成長期で、この年は雨もあったようで、じゅうぶん吸水しています。しかし膨らんでいることや、若苗であることを割り引いても、刺の数はやや少なめ、あっさり顔のコロニーです。こんなふうに半分以上は埋まっていて、休眠期にはもっと地面にめりこむような姿になるのだと思います。
 開花中をねらったのですが、天狼は花弁をフルに開くのが日中のごく短い時間に限られているようで、なかなか「満開」の場面に立ち会えません。黄色い花は、花弁周囲に微毛があり、Escobaria viviparaを思わせます。写真4枚目の若苗で径5センチ位。おそらく発芽10年強といったところだと思いますが、まだ開花のようすはありません。3枚目の2頭立は1頭の径は同じくらいなので、このあたりが開花ラインというところでしょうか。
 余談ですが、植物体そのものも、このエリアのvivipara f.kaibabensisととてもよく似ていて、なんだか不思議な感じ。このviviparaという植物は、同じエリアのペディオカクタスと常にそっくりの顔をしているのです。
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 Pediocacatus sileri
   (Coconino Co. ARIZONA) ”South”"

Few miles south from former colony. Plants are on the terrace which forms the boundary between the two strata, gypsum and redsand.
Flower in the picture are not full opened because the time of their "full broom" is relatively short among the genus.