印象に残る表現:
◇<東京キッドブラザース>というミュージカル劇団の作・演出家東由多加に出産を相談したときの言葉:
「出産の決意をしたのなら、仕事のスケジュールをきちんとたてること、ぜったいにあなたひとりでは育てられない。お母さんか妹に手伝ってもらった方がいい。三年間は過保護に育てなければならない。育児というのは三年間が勝負で、あとは生まれもった生命力で育つ。」
◇東由多加に保育園に預けることを相談したときの言葉:
「三歳までの記憶というのはほぼ残らない。だけど、その時期、母親、母親じゃなかったらお祖母さんでも、叔母さんでもいいんだけれど、特定の相手に愛着を持てるかどうかで、その子の性格が決まる。」
◇私の独白
たいせつなものは失いかけたときにはじめて、いかに失ってはならないものだったかということを思い知らされるのだ。自分の子や親や伴侶に愛情を抱いているとしても、日々失ってはならないと意識しながら生きているわけではない。ほんとうにすべてのひとの命が日々失われているというのに、そのことに鈍感になっている。いや、鈍感にならなければ生きていけないのだ。
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