本書 2009年(平成21年)10月刊行。
吉村達也:(本書より)
1952年、東京都出身。一橋大学商学部を卒業後、ニッポン放送に入社、制作部ディレクターとして「オールナイトニッポン」等を担当。扶桑社に出向後、書籍編集部編集長として、数々のヒットを手がける。‘86年に「Kの悲劇」で作家デビュー。’90年から専業作家。近著に「マタンゴ 最後の逆襲」「感染列島 パンデミックデイズ」など。
◆物語の概要:
特殊な能力を身につけてしまった美女カメラマン・上原仁美をめぐるスリリングなストーリーとハートウォーミングな結末。幅広いジャンルの作品で読者を楽しませ続けてきた吉村達也・著作200冊目記念作品。
上原仁美(ひとみ) 父 智 母 奈津子 祖母 菊江
恋人の大崎誠に、母親の占いで結婚しない方がよいとの宣告を受け、大きく落ち込んでリストカット、精神不安定になる。 その後螢坂での経験から立ち直り、京都に移り、プロのカメラマンとして活動している。 父親は仁美のリストカットにショックを受け、交通事故を起こし、母親も心を壊して入院。祖母の菊江が仁美を支えている。
大崎誠 母親 富士子
母親が仁美のことを嫌い、理想の花嫁を推している。 大崎自身も上原家の悲劇の責任を感じ、精神不安定に。
上原仁美が働く“ギオンブックス”の契約カメラマン。「超現象」の国際研究グループの一員。 仁美が好きな人物。
第一章の“輝く星座”では四国の廃村になっている場所へのファンタジックで幻想的な場面に興味を抱かせる始まり。期待して読み進む内に、超能力を身につけた主人公が次々と現れた現象が現実の不幸な出来事として見舞われる。 舞台が京都の観光地、カメラの撮影という格好の内容で祇園祭のこと、大文字焼きのこと、金閣寺の撮影のことと関心事が記述されるところは興味津々。 でも、自身としてはなんとなく超能力の内容には元々引いてしまっているため、話の内容には感情移入できずに、冷めた読み方になってしまった。 吉村達也という作家のことをよく知らないので手始めに読んでみたという所である。