椰月美智子著 
            『その青の、その先の 』






            2014-11-25


 (作品は、椰月美智子著 『その青の、その先の』   幻冬舎による。)

              

 初出  「週刊新潮」2013年2月14日号〜9月19日号
 本書 2014年(平成26年)3月刊行。

 
 椰月美智子:(本書より)

 1970年神奈川県生まれ。2001年「十二歳」で第42回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。「しずかな日々」で07年に第45回野間児童文芸賞と第23回坪田譲治文学賞を受賞。他の著書に「恋愛小説」「体育座りで、空を見上げて」「どんまいっ!」「みきわめ検定」「枝付き干し葡萄とワイングラス」「かっこうの親 もずの子ども」「るり姉」「ダリアの笑顔」「シロシロクビハダ」「フリン」「坂道の向こう」などがある。

主な登場人物:

簑島まひる(主人公)
母親
父親
弟 悠斗
(小5)

磯木高校2年D組。小型自動二輪免許取得中。和菓子屋の“正歩堂”で週3回バイト。将来の夢はまだ分からない。
夏海、むっちゃん、クロノの仲良し4人組。
亮司と好ましい関係。
両親は共働き。

夏海 磯木高校2年D組。弓道部。

山下睦美(むつみ)
(通称 むっちゃん)

磯木高校2年D組。生徒会書記。
母親は小さなログハウスを仕事場にキャンドル作家。

玄野結亜
(くろのゆうあ)
(通称 クロノ)

磯木高校2年D組。軽音部で“ヤナギダ”というバンドを組んでいる。
津川亮司(りょうじ) 柿居東高校2年生。3人の落語研究部を立ち上げる。将来の夢は落語家。3歳の時母親を亡くし、父親と7つ上の兄の3人家族。
ミナト 柿居東高校2年生の超イケメンギタリスト。亮治の友人。
ヤマダ 橋のたもとに住む女ホームレス。50歳位。


◇ 物語の概要: 図書館の紹介より

光り輝く宝物のような時間は、大切にしないと、シャボン玉のように消えてしまう。最高の仲間との3年間。恋、友情、初体験…。すべてが詰まっている高校の日々。書き下ろし傑作青春小説。

読後感:  

高校時代という一番子供と大人とのギャップに揺れ動く頃。そして今まで何気なく思っていたのに、急に相手は大人になったと感じ、自分はまだ子供のままと感じる時があり不安に思う、そんな時期ではないのだろうか。

 それぞれ異なる部活に励み、文化祭のような場で友達の眩しい姿を目の当たりにする。時に大人びた恋の話に、そして高校の後どの道に進むという将来の夢を持っている相手に、自分はまだ経験もなし、考えたこともないことに焦りさえ感じる。そんな主人公の姿が新鮮にさらっと描写される。
 
 自分に恋人と思える友達と出会い、それを恋に感じる自分。そして周りから羨望と喜びで讃えられ、ますます恋に感じていく。まさに青春謳歌の場面。
 前半のうきうきするところから、後半は果たしてその恋が本物であったのかの試練が突如現れて、どうするまひる!。

  

余談:

 確かに読んだ後原稿を作っていたのにパソコンの中に見あたらない。ショック!本は図書館に返却してしまったし(新刊でリクエストして手に入れたので予約で借りれないだろうし)思い直して覚え書きのノートを読み直す。原稿を作成し出すとどんな感想を書いていたのか浮かび上がってきた。
 ときどきこんな経験をしてしまうが作品の内容のメモを取ること、パソコンの保存は確実に行うことを確実に行うよう反省しきり。 

 背景画は、高校の学園祭風景からバンド仲間の演奏風景。