◆「蝶々の纏足」の主な登場人物
瞳美 |
えり子の家は隣同士。自分の魅力を確認させてくれた麦生との交わりでえり子に対抗する。 |
えり子 |
幼稚園に行かず、ピアノを習い、叔父から絵も。学校では瞳美のことを親友と言い、クラスでも美しさでも、その動作でも皆の羨望の的。 |
麦生(むぎお) |
クラスメイトの男の子。瞳美と男と女の間に横たわるやるせない空気を理解することで二人の雰囲気は合う。しかし部屋に田の女の口紅が転がっていたことで別れる。 |
読後感:
纏足(てんそく)とは辞書によると(昔、中国で)婦人の足を大きくしないため布を固く巻き付けておいた風習とある。こんな言葉を使う著者はただ者でない。
話の内容は、私(瞳美 16歳)の家族が同い年のえり子の隣に引っ越してきて親友の間柄となるが、その関係は、えり子の引き立て役、常に後ろに控えているといった役所。
それが嫌で、男女間のことで大人になることで自分が内面的にえり子より進んでいることを知らせて優越感を持とうとする。えり子の心の中にひそむ悪魔のような一面は憎らしい。
山田詠美という作家は女性に人気があるよう。自分にとって、どうも内容的には好みではないが、感覚は現代にマッチしているのかも知れない。注目度は理解できる作品である。
|