雨穴 『変な家』


              2022-02-25


(作品は、雨穴著 『 変な家 』    飛鳥新社による。)
                  
          
 

 
本書 2021年(令和3年)7月刊行。

 雨穴
(うけつ)(本書による)

 インターネットを中心に活動するホラー作家。 ウェブライター、YouTuberとしても活動している。

主な登場人物:

筆者<私> オカルト専門のフリーター。
栗原

大手建築事務所に勤める設計士。ホラーミステリーの愛好家。

柳岡 私の知人で、編集プロダクションに努める営業マン。人生初の一軒家を買う決心をし、間取りに不可解な点が有り、私に相談してきた。

宮江柚希
夫 恭一
(きょういち)

埼玉県在住の会社員。 マンションの一人暮らしの20代半ばの女性。
・ご主人 3年前の9月、知り合いの家に行ってくると言って行方不明に。 数ヶ月前、県内の山中で左手首がない状態で発見された。

[片淵家]

父 
母 喜江
(よしえ)
姉 綾乃
(あやの)
  綾乃の夫 慶太
  子供 浩人
(ひろと)
妹 柚希

会社員であった父は2007年自損事故で死亡。
・喜江 パートタイマー。父が死亡後、清次という男性と再婚。
・綾乃 妹柚希の2つ年上。柚希が10歳の夏(2006年)、突然家からいなくなり、家庭は壊れていく。
・柚希 1995年埼玉県生まれ。2014年家を出る。
2016年10月突然姉から手紙。埼玉県で暮らしていると。
2019年5月、再び姉から連絡来て、東京の家に招待される。

祖父 重治(しげはる)
祖母 文乃
(ふみの)
文乃の甥 清次

“左手供養”の五箇条を厳しく受け継ぐ人物。
・清次 重治がもっとも信頼を置く人。妙な威圧感がある。

叔父 公彦(きみひこ)
叔母 美咲
長男 洋一
次男 桃弥

公彦、もうすぐ子供が生まれるという時に、心臓が悪く病死。半年後に長男洋一が事故死。
・洋一 柚希より3つ年下。
・桃弥 父親が亡くなる時母親のお腹にいた、左手首のない子。

[片淵家の本家、分家にまつわる人物たち]

片淵嘉永(かえい)
正妻 
息子 宗一郎
 嫁 高間潮
(うしお)
娘 千鶴

当主。片淵家の跡取りとして宗一郎に継がせ、清吉に後ろ盾をさせたかったが。
・宗一郎 父親の嘉永ほどの才なくやがて没落へ。
 奥手の宗一郎に対し、嘉永は雇い人の高間潮と結婚をさせる。
 宗一郎は潮に手を出さず、妹の千鶴を妊娠させる。
・宗一郎との間に双子の男児を産む。
  上の子 麻太(五体満足)
  下の子 桃太(左手首なし)

嘉永の妾の子 清吉
第二夫人 志津子
  妹 美也子
 (偽名 蘭鏡)

本家を捨て独立、事業を成功させ、片淵分家誕生。かなりの好色で5人の妻がいた。
・第二夫人の志津子は自分の子を跡取りにしようと清吉の6人の子の三人を幼くして殺害させている。
・蘭鏡 謎の呪術師。儀式“左手供養”を説く。

片淵弥生 片淵喜江(よしえ)の母方。清吉の七番目の子。

物語の概要:(図書館の紹介記事より。)

 知人が購入を検討している中古一軒家。ありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していると判明。知り合いの設計士に間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。間取りの謎をたどった先に見たものとは…。

読後感:

 横溝正史のあのおどろおどろしい世界を読んでいるようで、恩讐、因習と言った古めかしいイメージがつきまとい、「何じゃこりゃ」と思わず発してしまいたくなる。
 でも、そこは現代の世の中風、展開は不可思議な変な家の間取り図にまつわる解釈に突き進んでいく。

 オカルト専門のフリーターである筆者と、間取り図を解釈する設計士が、購入を考えている知人の柳岡からの相談で物語は始まる。そんな時ニュースがあり、左手首のない痛いが山中で発見されたと。
 そんなところから話は片淵柚希と言う女性からの相談事から、次第におどろおどろしい話へと展開していく。
 片淵家の家計の話になるとなかなか理解が進まなく、登場人物の整理をしながらと、間取り図の解釈とと、頭を捻ることになる。


余談:

 ・新聞の広告でこの「変な家」について、27万部、YouTube 976万再生と。
  図書館の予約もすごい多数で驚いた。
 ・著者の“雨欠(うけつ)”という名付けもいかにも現代風、ネット的で世の中変わったなあ  の思い。 

背景画は、自然いっぱいの素材集がErrorとなって消失してしまったので、背景素材無料のものからに。

           
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