辻村深月著
『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』、
『オーダーメイド殺人クラブ』
2013-07-25
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余談1: 表題の“ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ”が何を意味するのかも読書の一つの関心事だった。ラストでそれが分かった。なるほどと思った。最後に残った印象はガツンと衝撃を受けた感想の一言。 この作品、珍しいことに購入して半年、カバーも付けて貰っていて、読み終えてさてとカバーを取ったら直木賞ノミネート作品と知った。(帯では直木賞受賞!!と大きな活字で、なんて紛らわしい表現にどうなってんだろう) 自分が思った点が批評にもあった。最初の内は誰が発言しているのか何度も読み返さないと分からない、話が飛んで時点が紛らわしくてイライラするなど。でも人物が分かり、内容に入り込めるようになると、気にならなくなったよう。 “リアル充”女子とか、昆虫系男子とか今時の言葉は理解できないが、でも感じとしては判る。バスケ部の三人組の関係、クラスでの同情や敵視と、そこから弾かれた孤立した人間の疎外感、誰かとつながっていないと耐えられない気持ち、今の学校内部はこの気持ちを忖度できないものになっているのかなあ。 |
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背景画は作中(『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ』で)望月チエミが恩師の添田紀美子を訪れた、山梨県立社会教育センターフォトを利用。 |