☆心の花束 (第八集)
ある先生の言葉、「忙」という字は、心が亡びると書きます。心は死んでしまうと、カサカサの土みたいになるんだろうか。私の心も、もしかして死んでたんじゃないだろうか。カサカサの心では、何も感じることは出来ない。自分を見つめ直す余裕も、他人を気遣う気持ちも、そこからは生まれない。
☆その、意味 (第六集)
「皆さんは、この障害を持って生まれて、数時間で亡くなられたお子さんの人生は、両親を悲しませ、苦しませるためだけだったと思いますか?出産される意味がなかった、と思いますか?」
「私は、ここにも意味はあると思います」M先生は、きっぱり言い放たれました。
命は完全でないと意味がないのだろうか?
命は長くないと意味がないのだろうか?
命は、おそらく、結果ではなく経過なのだ。
あの子供にとって、いや両親にとっても、命は受胎の時より始まっていて、一分一秒がかけがえのない意味を持った存在だったのだ。私達は、いつ、どんな終わり方をするのか、結果ばかりに気を取られ、命そのものであるその間をむやみに走り回っている。そして、最後の瞬間に、抜け殻になった人生のかけらの前にその意味を探ろうとしてしまう。でも、本当の意味は、通り過ぎてきた世界の中にこそあったのだと、ようやくそこで気づくのかも知れない。とり返しのつかない喪失感と共に。
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