読後感:
NHKラジオ深夜便で高樹のぶ子の話を聞き、一度読んでみようと思う。ラジオの内容は、還暦になってブログを立ち上げ、時々アジアを訪れ、アジアの心の情報を発信している(WEB
SIAサイア)という。声もハツラツとしていて、年齢を感じさせず、凄く前向きに生きておられるのに興味を持った。
「満水子」なる女性が画家であることに興味を覚えたが、どうも性描写のあたりは好きではない。途中止めようかと思ったが、内容はミステリアスなもので、満水子のとらえどころのない、場所により、時間により、状況によって変化する態度に、坂本重治と同様惹かれていってしまっていたのかも。最後まで読んでしまい、まんまと著者の術中にはまってしまった。
それに、作品に登場する場所が、かって自分が訪れたところのある場所で、記憶にもはっきりとまだ残っていることも惹かれた理由でもある。
京都渡月橋の側の嵐流莊は当時泊まろう考えたこともあったが、すぐ手前の宿にしたところ。また、函館の大沼公園も思い出のある場所で、この作品を読んでいたら、さらに趣を感じられたのになあと。とはいえ、知っている場所が作品に登場すると、すごく身近なものに感じられ、現実味をおびてくるものだ。
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