[第一部] |
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[黛(まゆずみ)家] |
代々筆頭家老の家柄。三千石の大身(たいしん)。 |
父 清左衛門 |
神山藩の筆頭家老。
妻は新三郎が8才の頃世を去る。
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長兄 栄之丞
(えいのじょう)
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いずれは父の後を継いで家老になるだろうが、今は見習い。
人いちばん頭が切れる。藩主の娘(靖 やす)を嫁に迎える。
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次兄 壮十郎 |
家を出、柳町にたむろ、<花吹雪>という無頼の仲間の頭目として。富田道場出身で腕は立つ。
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三男 新三郎 |
五年前一刀流の峰岸道場(師は峰岸丑之助)に入る、17才。
尾木将監(しょうげん)の仲立ちで黒沢家の娘りくに婿入り。
友垣の由利圭蔵を黒沢家に側仕えとして伴う。
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近江五郎兵衛 |
黛家の家宰(かさい)。 |
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黒沢織部正
(おりべのしょう)
娘 りく
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黒沢家は八百石で大目付の役。 藩祖の末子に連なる家であるため、家中では別格の扱いを受けていた。当主の織部正は峻厳な人柄。
清左衛門とは幼少の頃より親しい間柄。
・りく 新三郎が婿入りする。 顔立ちは美しいが、整いすぎて息が抜けないと新三郎は思っている。 新三郎よりふたつ年上。
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漆原内記
嫡男 伊之助
娘 おりう
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次席家老。清左衛門と並んで神山藩の両輪とも言うべき執政。
・伊之助 <雷丸(いかずちまる)>という無頼の仲間の頭。
<花吹雪>と言い争いが絶えない。
・おりう 藩主の側室。
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山城守正経(まさのり)
次女 靖姫(やすひめ)
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藩主、40過ぎの武士。側室のおりうの方との子、又次郎を愛着。・靖姫 藩主の命により黛栄之丞に嫁ぐ、18才。
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由利圭蔵 |
新三郎の道場仲間で同い年。普請組二十石の下士、三男。 |
久保田治右衛門
(じえもん)
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目付役筆頭。人柄のまま、裁定は剛直、目付として最適。 |
みや |
黛家の女中。長沼村の出、5年ほど前から屋敷に、新三郎の付き人となる、新三郎と同い年。
嫁に行くと去るが・・・。新三郎が気になる女。
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とき |
一膳飯屋の女。壮十郎といい仲に。 |
すぎ |
黒沢家の女中。栄之丞が好みの女。 |
[第二部] |
十三年後 |
黒沢織部正
妻 りく
子供たち
舅
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(新三郎改め)大目付に。陰では漆原の走狗(そうく)と呼ばれている。兄の清左衛門とは疎遠に。
・りく 次兄切腹の後、まことの夫婦に。
・子供たち 長男 新三郎(10才)、鈴(5才)
・舅(織部正隠居し全楽(ぜんらく)と号す。
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黛清左衛門
妻 靖(やす)(没)
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(栄之丞改め)次席家老に。名家老の評判も。
・靖 6年前に亡くなり、恵信院。藩侯の娘。
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漆原内記
弥四郎
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筆頭家老。老いが目立つ。
・弥四郎 長男伊之助亡き後、本家当主の末娘で13才の市の輿入れが決まり、家老見習いとして来春より出仕。
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由利圭蔵 |
黒沢の家士に。30過ぎ。昔の新三郎とは幼馴染み。 |
向井大治郎 |
黒沢家の近習。 |
小木曽靫負
(こぎそ・ゆきえ) |
御納戸頭、かねて反漆原を標榜していた人物。 いわば黛派の一翼。 |
山城守正経(まさのり) |
藩主。肝の蔵弱っている。 |
右京正就(まさなり) |
10年前廃嫡された世子(せいし 後継ぎ)。又次郎を次期藩主にすることに反対している。赤岩村に蟄居させられていたが、毒殺?。
・佐倉新兵衛 側仕え。
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尾木将監 |
家老の一人。内記より5つほど年上。 |
海老原播磨 |
内記により勘定奉行より家老へ抜擢された人物。 |
峰岸丑之助 |
峰岸道場の師。既に隠居、息子に家督をゆずっている。 |
みや |
数奇な運命を経て、胡弓の演者として生きている。 |
とき |
柳町で一膳飯屋の主に。壮十郎の子、壮太を育てている。 |