住野よる 『麦本三歩の好きなもの 』



              2021-03-25


(作品は、住野よる著 『麦本三歩の好きなもの』        幻冬舎による。)
                  
          

 初出 「麦本三歩は今日が好き」(「小説幻冬」2016年12月号)
    「麦本三歩は図書館が好き」
   (「麦本三歩は配架が好き」から改題。「小説幻冬」2018年1月号)
    「麦本三歩は君が好き」(「小説幻冬」2018年3月号)
    「麦本三歩はワンポイントが好き」(「小説幻冬」2018年4月号)
    「麦本三歩は生クリームが好き」(「小説幻冬」2018年5月号)
    「麦本三歩はブルボンが好き」(「小説幻冬」2018年6月号)
     ほかはすべて書き下ろし。

 本書 2019年(平成31年)3月刊行。

 住野よる:
(本書より)  
 
 
高校時代より執筆活動を開始。デビュー作「紀美の膵臓を食べたい」がベストセラーとなり、2016年の本屋大賞第2位にランクイン。他の著書に「また、同じ夢を見ていた」「よるのばけもの」「か「」く「」「」「」と」「青くて痛くて脆い」がある。天下一品が好き。  

主な登場人物:

麦本三歩
(むぎもと・さんぽ)

大学図書館の図書館員。
本が好きなこと同時に、扉が開いた瞬間に感じられる図書館の匂いが好き。

怖い先輩 三歩がヘマをやるとチョップを食らわしたり怒る、後輩思いの怖い女性。図書館の天敵。
優しい先輩 笑顔が素敵で、三歩の憧れの女性。
おかしな先輩

男性。怖い先輩と優しい先輩の二人の先輩にあたる。
天然の三歩は好きでないと・・・。

大学で非常に仲の良かった男友達。1年後再会して・・・。
麗しき友人 美人で、大学時代から卒業してからも未だに友人関係を続けている女性。編集者?

物語の概要:(図書館の紹介記事より。)

 朝寝坊、チーズ蒸しパン、そして本。好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しい。大したことは起こらない。謎も事件もファンタジーもない。図書館勤務の20代女子、麦本三歩のなにげない日常。

読後感:

 主人公は麦本三歩という奇妙な名前の女の子。その性格は、人見知り、飽きっぽい、集中すると周りが見えなくなる、ボッとしている、おっちょこちょい、間抜けと、あまりいいところがない。そして突然の出来事に出くわすと喋る言葉は噛んでしまう。一人暮らしの休みは平日のため、遅くまで寝ていて、食べることに情熱、料理は作り置きしない。
 とまあ、素朴というか、可愛らしいというか、そんな主人公の楽しくもあり、ほろっとするところもある讀物である。

 図書館での先輩には怖い先輩がいて、へまをするとチョップを見舞われる(でも実際はちょこっと触られた程度を、三歩が誇張して感じるだけ)。そして憧れは優しい先輩。笑顔が素敵、男だけでなく淑女も児童も落としやがるのかと密かに思う。
 三歩の彼氏は大学時代いて、しばらく会っていなかったが、1年ぶりに会って水族館に。そこで彼が「ごめん」との言葉。三歩の返す言葉は立派なもの。ほろっとする。

 麗しき友人との二人での温泉宿泊の章。二人の盛り上がりが楽しいが、麗しき友人の隠された大きな荷物、ジーンとしてしまう。
 又、おかしな先輩への相談事に関して、三歩のことは好きでないとの言葉に、ショックを受ける三歩。でもその後のやり取りで、皆から天然の三歩だからと甘やかされ、認められているけれど、自覚している三歩に対し、おかしな先輩の言葉が俄然三歩に大きな目標を作らせる。

 本の題にあるごとく沢山の好きなものが語られるが、章(?)の最後に決めの言葉がよくあるが、理解できないことがチョクッと出てきて、はてな。どうもこちらの理解が出来ていないせいかも。読み不足か。


余談:

 この作品はドラマになりそう。
 主役の候補は、高畑充希または松岡茉優。面白さ、胸にキュンと来るスパイス、明るさ、ユーモア、どれをとっても抜群の内容。

背景画は、自然いっぱいの素材集がErrorとなって消失してしまったので、背景素材無料のものからに。

           
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