読後感:
学校が荒れ出す始まりの合図。1章の始めにもうすぐ壊れだす兆しを警告する。その段階で教師たちが掌握し、手を打たないと次第に取り返しの付かない段階へと一気に進んでいく。そんな出だし。
章ごとに“わたし”の対象が中森みちると前川優子と入れ替わる。いずれもいじめを受ける身の上。ごく一部の不良がいるほかその他の周りの生徒が敵になってしまう構図はよくある話。さてその解決はあるのか。
そんな中、みちると優子二人の生徒が異なる方法でささやかな手段で風穴を開けていく。
前川優子はお金持ち、母親の愛情もたっぷり、でも母親の子供を理解しているかどうかはあやしいけれどそれほど酷くもない。優子の対処ぶりがのびのびとしてほほえましく、いかにもおっとりタイプで笑っちゃう。
自分がいじめをさらりと受け流し、どんどん外に向かって逃げてゆく(?)。そしてちゃっかり自分が受けるカウンセラーの方法を伊佐瞬に施すというユニークさ。
一方のみちるは正当派らしく何とかしなくちゃと宣言するも、空振りでみんなからのイジメを受けてしまうことに。それでもめげずに我慢して学校に、教室に出ている。
その受け皿になる何とも頼りない吉川の存在が崩れそうになる気持ちを受けとめてくれている(?)。
中学卒業の間際の卒業記念に整備した花壇を不良仲間から守る手だてはあるのか?
吉川先生が放った手は?みちるの放った奇抜な行動とは?果たして学校の崩壊はどうなるのか?
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