読後感:
舞台の北鎌倉から鎌倉駅周辺、そして人物の名前が荒野といい、山野内家や神無月家の名前、父親の正慶、義母の蓉子、赤ん坊の鐘(かね)など凝っていてなんとも優雅。そんな雰囲気からしてふんわりとした気分になる。そして交わされる会話がまたシャレていて、ユーモアがあったりとご機嫌である。
テーマは12歳の中学1年生から15歳の高校1年生の年頃の娘たちと男の子というか男子と言ったらいいのか。“恋”とか“好き”とかの青春と呼ぶにはまだ少し早い時期のもろもろが展開されている。
まだ孫娘は小学校2年になったばかりだから、何年後にかこんなことで悩んだりどきまきしたりするのかなと、ちょっぴり複雑な気持ちで読んだ。
<今回のupdate分>
図書館でもう一冊借りようと何気なく取った本が、「荒野」という題名とグリーンの中に小鳥が一羽のフォトに惹かれ。確か「荒野へ?」と言う本は読んだと思ったが??と思いながらも。
出だしで北鎌倉の駅に向かっていく描写でああ読んだことあるなあと思い出す。
それはさておき、引きつけられて最後まで読む。印象は中学1年生の入学式から高校1年生の多感な女の子”山之内荒野”の家庭内での変化、友達との付き合い方、ボーイフレンドとの恋と言うべきか、はたまた母親を亡くした後の家政婦さんとの交わり、そしてその後に父親が結婚して新しく家に入ってきた子連れの義母”蓉子”さんとの気持ちの揺れ具合、前の家政婦さんの”奈々子さん”への懐かしさなど、気持ちの揺れ、そのあと大人へと変身している自分に驚いたり、喜んだりと感慨深いものが沸き上がってきた。
当時読んだのが孫娘が小学2年生。今ははやくも小学5年生の高学年になっている。後2年もすれば”荒野”と同じ中学を迎えるなんて。
喜ばしいやら、自分の高齢化と複雑な気持ちになってゆく。
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