主な登場人物:
西岡順一(僕)
妻 由里子
娘 恵美
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大島ゼミで知り合った由里子と結婚。学生時代麻雀に明け暮れ、仕送りの金が来るまで飲まず食わずの生活も。20歳で由里子と出会い、23歳で結婚。30歳で恵美誕生。
恵美誕生に際して、由里子は切迫流産で絶対安静の緊迫の時間を二人で過ごした後の出来事。
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大島
妻 節子
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大学の教授。
退官後奥さんとフランスに永住。ある朝突然倒れ、ニースのサン=ロック病院の集中治療室に。
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山口美咲 |
大島ゼミで一番かわいがられていた学生。奥さんから美咲に助けを求めてくる。 |
柚木 |
僕が学生時代酒におぼれ体調不良でお世話になったときの女医。 |
物語の概要: 図書館の紹介文より。
30半ばで娘を授かった西岡順一は、子どもの誕生の喜びとは裏腹に、妻との関係がこのまま在り続けるのか不安を抱く…。東京からニース、ジェノヴァへ。見失った夫婦の絆をさがす物語。
読後感:
以前読んだ大崎善生の作品「ユーラシアの双子」ではユーラシア大陸、ヨーロッパ大陸への関心を大いに高めてくれたことで、今回もフランスニース辺りの雰囲気を余すことなく甘受出来たし、BS放送の受信が手元で見れるようになって、ヨーロッパの旅気分を満喫できる環境にもなり、映像でなく、文字で読むことでの満足感もなかなかのものだった。
さすがノンフィクションを得意?とする著者ならではと。
内容としては夫婦の絆がふとしたこと(30歳を迎えたことと、娘が誕生したこと)から今までは好きな仕事に没頭していて何の違和感も感じていなかったのに、妻の由里子が娘の子育てに没頭していることと、自分の職場環境が雑誌の編集者としての働きから営業とがらりと変わり、何か違和感を感じるように。そこで飲むことにより内部から自分を改革しようとアルコールに依存するようになってしまい、体を壊してしまう。
人生ではよくあることかもしれないことが小説として展開する。それが大島先生のフランスでの意識不明で入院、何の寄る辺もない奥さんを励ますため二人で向かう中、絆を取り戻すことになる。
その模様がたんたんと展開する中で、人生とは、生きることとはを考える。
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