主な登場人物:
漆田亮(りょう)
(わたし)
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漆田PR事務所所長。日野楽器は最も古い得意先の一つ。 |
大倉幸祐(こうすけ) |
同事務所員 |
河出弘継 |
日野楽器広報担当常務 50代半ば。日本楽器:業界でも5指に入る大手メーカー。太陽楽器はライバル会社。 |
新井進一郎 |
日野楽器広報室長 40代半ば。 |
那智理沙代 |
広告会社萬広PR局、PRウーマン。萬広:有数の大手広告会社。26-27歳独身。 |
大野顕介 |
太陽楽器の取締役宣伝部長。 |
槇村真紀子 |
全日本消費者同盟書記長。 |
槇村優 |
槇村真紀子の息子。爆弾のスペシャリスト。 |
ホセ・ラモス |
スペインのギター製作家。孫娘のフローラと来日して、サントス・エルナンデスのギターを探して欲しいと日野楽器に。 |
フローラ |
ラモスの孫娘。マドリード大学で日本語専攻。日本列島解放戦線に爆弾闘争のスペシャリストを捜しに。 |
津川 陽 |
通称パコ、ギタリスト。フローラの恋人。 |
清水宏紀 |
通称マノロ、ギタリスト |
高井修三 |
通称サントス、ギタリスト |
佐伯浩太郎 |
通称アントニオ、ギタリスト |
サンチェス |
スペイン治安警備隊の少佐 |
ロコ |
スペイン右翼団体JEDRAの攻撃隊長(殺しや) |
アンヘル |
スペイン左翼過激派FRAPの闘士。フランコ総統を狙う。 |
読後感:
読んで行くに従い、先に読んだ「あでやかな落日」と調子が似ていて、あまり感動が湧いてこなかった。なるほど内容自体は異なっているし、飽きずに読めるのだが、何となくこれが直木賞?と思ってしまった。今までにも直木賞作品は読んできたが、たとえば作家の初期の作品の場合でも、荒削りであっても、そこには引きつけるものを感じていたのに、この作品の場合は何も残らないという風と上巻では感じていたが、下巻を読み終えて少しその印象が代わった。特にスペインに出張していた2週間の出来事では、さすがスペインが好きな著者だけあって、熱気が伝わってくるものがあった。
選考委員の評をチェックしてみたら、1000ページ以上の長編を飽きさせず、筋の乱れもなく最後まで引っ張っていく力量はさすがというのが多かった。
中に「読んだ後残るものがなかった」と言うものもあったのには同感。
なにか高村薫の「レディ・ジョーカー」を読んだ後、読み手に感動を呼び起こしてくれる作品に飢えてしまったかな。毎回毎回そんな作品に会えるとは思わないけれども。おかげで、最近読んでいく途中で中断してしまうのが多くなったよう。
村上春樹の本が話題になっているが、宣伝文句を信用すると馬鹿を見るので、やはり長く読み継がれてきた作品を選ぶのが無難だけれど、まあ、色々読む中で素敵な感動作品に出会うのもいいのかなあと、気持ちを広く持つことにしよう。
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