物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
大学の同級生の二人の女性は一緒に住み、そして、一緒に飛び降りた。 いま、「三面記事」から「物語」がはじまる。きっかけは「私」が小説家としてデビューした頃…。
恩田陸の新境地となる、“事実に基づく物語”。
読後感:
本作品、エッセイではないかと感じるところも多々有り、でも、著者<私>は、実際起こったことをベースに「灰の劇場」という小説を書いて、それが舞台となり、オーディションにも立ち会い、実際に上演されるに到る過程の描写もある。
そして実際に初日を迎えるに到る時の、<私>の恐怖の心境が語られ、一方で「灰の劇場」に登場する二人の女性、TとMのやり取りもあり、「灰の劇場」という小説が描かれているようでもある。
何とも不可解な作品で、良く理解できなかった。
「灰の劇場」という作品を作りたかった理由が、あの三面記事にある二人の女性が、どうして二人一緒に自殺を図ることになったのか、その理由が知りたくて、作品を描きたかったという。
ということで、ふたりのやりとりを描きながら、後半になって何となく判ってきた。
その間、<私>が感じる世の中の出来事や、自身の体験談、小説の書き方、(例えば「デッド・エンド」と「ハッピー・エンド」に終わらせ方)、人物の描写の仕方、(自身はあまり容姿の描写はしないが、欧米の小説はどうこうとか)、何が世間の「普通」と「常識」なのかの持論。能を好む人間のタイプの話などなど。
そんな色んな話題が入り交じって、そして二人の女性の死について、物語として(?)できあがっていくようだ。
この作品読後感を書くのも困った。
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