<笹宮家>関係 |
笹宮邸は書院造りの母屋とふたつの銭湯と広いテラスのコロニアル様式の洋館(後添えの瀧子の強い要望で建つ)が渡り廊下で結ばれている。離れ家では惟重が「執務室」として政界の人物達との会合に使用。
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惟佐子(いさこ) |
女子学習院高等科の学生、20歳。同窓生の間では‘変な人’との評判。囲碁、探偵小説が趣味。普段は無口で父親の命令に決して逆らわず従順に振る舞いながら我を通す。母屋に住む。
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父 惟重(これしげ) |
貴族院議員で伯爵、53歳。天皇機関説排撃の急先鋒。爵位と共に受け継いだ資産を食いつぶしつつあり、瀧子の実家が経営する企業の重役の地位を与えられている。母屋に住む。ドイツ贔屓で有名。 |
生母 崇子(たかこ) 没 |
白雉家の末娘。笹宮惟重と結婚時兄の博允はまだ東京帝大の学生。惟佐子を出産後2ヶ月ほどで亡くなる。
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息子 兄 惟秀(これひで)
義兄 惟浩(これひろ)
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・惟秀 陸軍士官。惟佐子より12歳年上。
・惟浩 瀧子の子。惟佐子の5歳年下。洋館に住む。
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後添え 瀧子(たきこ) |
藤乃の死後、重石がとれ笹宮家の改革に熱を上げる。洋館に住む。実家は神戸で海運や造船などの事業展開、裕福。
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祖母 藤乃(ふじの) |
惟重の母親。 |
伯父 白雉博允
(はくちひろみつ)
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10年ほど前ドイツに渡り、ドイツ学芸界で活躍。カルトシュタインと親しい。 |
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宇田川寿子(ひさこ) |
父親は帝大教授の令嬢。女子学習院本科卒後、目白の日本女子大英文学を学ぶ、笹宮惟佐子とは学校別々になってかえって交際深まる。藤の青木ヶ原樹海で死体が発見される。妊娠していた。
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木島柾之(まさゆき) |
宮内省の人間。日独文化交流協会の事務局。 |
フリードリッヒ・カルトシュタイン |
ライプチッヒ音楽院で学んだ音楽家。松平侯爵邸の演奏会でピアノを演奏。笹宮惟佐子に注視の視線を・・・。 |
牧村千代子 |
「東洋映像研究所」の新米女性写真家。笹宮惟佐子の「おあいてさん」、女学校の2年目になり任を解かれる、惟佐子の3つ年上。 |
蔵原誠治 |
「都朝報」の記者。築地「岡村」の日独文化交流協会主催の会で笹宮惟佐子を取材。 |
久慈亮一 |
中尉。実家が寺の、小柄な士官。惟佐子に昭和維新を語った男。富士の樹海で寿子と二人の死体が発見される。 |
槇岡貴之
(まきおかたかゆき) |
久慈中尉の友人。宇田川寿子と久慈中尉を結びつける媒介になった人物。折り目正しい制服の近衛士官。
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山口清太カ |
日光駅前の団子屋の主人。辞めた後探偵に。 |
清漣尼 |
鹿沼の紅玉院の尼僧。霊視力を有していると有名人が訪れる。その素性は・・・。 |
伊地知幸平
息子 春彦
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群馬県出身の政友会における天皇機関説糾弾の先鋒。総理を目指している。出自は貧しいが、陽性。笹宮に入閣約束。
・春彦 惟佐子の縁談相手。
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