読後感:
ミステリーのテーマはごくありふれた日常の出来事、謎を解くのは珈琲店<タレーラン>の店員で珈琲のバリスタ切間美星。話し相手といえるか、問題提供の張本人は主人公の僕。
何気ない日常での出来事に対する謎解きという点では北村薫の作品が代表的でその辺りに比べるとちょっと物足りないかなと。
だがそんな推理話だけでなく、切り間美里自身の謎、主人公との間の関係が興味深い。そして主人公と元彼女との関係もなかなか興味深いところである。そんな登場人物のキャラクターがこの小説をおもしろくしている。
解説を見ると「このミステリーがすごい!」に応募の作品で受賞こそしなかったが評価が高かった作品らしく、若い作家のようなのでこれからも期待したい。
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