小川糸著 『ツバキ文具店』








              2018-09-25


(作品は、小川糸著 『ツバキ文具店』    幻冬舎による。)
          
  

  初出 GINGER L.18〜21
   本書 2016年(平成28年)4月刊行。

 小川糸:
(本書より)
 
 作家。デビュー作「食道かたつむり」が、大ベストセラーとなる。同書は、2011年にイタリアのバンカレッラ賞、2013年にフランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞。その他の著書に、小説「喋々喃々」「つるかめ助産院」「あつあつを召し上がれ」「さようなら、私」「にじいろガーデン」「サーカスの夜に」、エッセイ「ペンギンと暮らす」「こんな夜は」「たそがれビール」「今日の空の色」「これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヵ条」、絵本「ちょうちょ」「まどれーぬちゃんとまほうのおかし」など多数。    

主な登場人物:

雨宮鳩子
<ポッポちゃん>
先代 カシ子

先代を継ぎ文房具店と代書屋を営む。去年までの数年間海外を放浪。幼少の頃はヤンキー。今は20代。
・先代=祖母 に厳しく育てられ、事細かい指導に対し反発、亡くなった後先代といい関係になれなかったことを鳩子は悔やんでいる。

スシ子おばさん

先代と一卵性双生児。性格はまるで違う。鳩子とはいい関係。
先代は1歳になる少し前に雨宮家に養子に出された。先代とスシ子さんの二人の交流は鳩子が中学生になってから。

バーバラ婦人

ポッポちゃんのお隣さん。鳩子とはいい関係を築いている。
モテモテでいつもデートに誘われて忙しい。

マダムカルピス
孫 こけしちゃん

権之助さん(お猿さん)の訃報にお悔やみの手紙依頼。
先代の手紙のおかげで夫のハートを射とめる恋文で結ばれた。

園田薫 幼馴染みの女性にふつうの手紙依頼。学生の頃遠距離恋愛を。女性の字で書いてと。
武田聡(さとし) 評論家の先生に原稿依頼の手紙。編集者。
花蓮(カレン)さん 汚文字の国際線客室乗務員の女性。義母に還暦迎えるメッセージカード依頼。
白川清太カ 施設に入院している90過ぎのお袋を楽にしてあげてと。天国からの父親の手紙を代わりに書いてもらえませんか?

楠帆子(ハンコ)
<パンティー>

バーバラ婦人と顔見知り。逗子の小学校の先生。ハンコティーチャーからパンティーと呼ばれる。
男爵 いつも着物姿で素性のよく知らない人物。金貸してくれの相手に断りの手紙依頼。先代との付き合いあり、ポッポちゃんのおしめ替えてやったと。

静子さん
息子 アンニョロ

鳩子の先代と、アンニョロのお母さん(静子さん)が友達。イタリアに住み、先代と文通している。先代が鳩子に対する悩みを綴ることが多い。

守景陽菜(はるな)
<QPちゃん>
父親

母親を2歳になる前に亡くし、鎌倉でカフェを営む父親に育てられている。ポッポちゃんと手紙のやり取り。鏡文字の名人。

物語の概要:(図書館の紹介記事より。)

 ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鳩子の元に、今日も風変わりな依頼が舞い込む。100万部のベストセラー『食堂かたつむり』の著者が描く、鎌倉を舞台にした代書屋の物語。     

読後感:

 レビドラマでこの作品は見ていたが、小説で読んでの感想。かなり出演者のイメージが重なって影響は多かったが、作者の心根が描写されていて感銘有り。
 代書屋の大変さ、文面も勿論だが、作品に対する紙、筆記用具、色、切手、封筒の姿、宛名書きなど色々手を考えて行われることに感動。

 依頼に対しての代書の内容も面白いが、鳩子の先代との関係を後悔する姿、春の章でQPちゃんと父親と鳩子がカレー屋を探索に行くシーンでの親子の姿、鳩子の先代との思い出シーンはしんみりとしちゃった。
 また、鎌倉のお寺にまつわる話題も思い起こされて懐かしさが増した。
 
余談:

 読んでいる内に疑問が浮かんだ。依頼した本人は文面やどのような姿で出されたかを知らずに相手の反応でしか分からないなんて・・。一部に依頼に対しては内容を見てからのもあったが・・。

背景画は、森・木をテーマに。(自然いっぱいの素材集より)

           
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