物語の概要: 図書館の紹介より
「私は人を殺す時だけ、世界とつながれるのです」。暗黒の欲望にとり憑かれ、さまよう魂。運命は、たったひとつの愛と出会わせた…。おそるべき筆力で描き切った衝撃の恋愛ミステリー。
主な登場人物:
亮介(主人公) (りょうすけ)
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2年前に喫茶店と会員制ドッグランを兼ねた<シャギーヘッド>を始める。
今から20年以上前、 4歳の時肺炎で東京の病院で入院後、 引っ越し先の奈良の駒川市の自宅に戻る。 以前の母と違うような記憶が・・。
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洋平 |
亮介の弟。 亮介が駒川市に戻ってきて1年ほど経って洋平が生まれる。 |
父 |
この春末期のすいぞう癌の診断が出る。 一人暮らし。 |
美沙子 |
亮介の母 2ヶ月前ふらりと道路に踏み出し交通事故でなくなる。 |
英美子 |
美沙子の妹。 |
千絵 |
千絵を両親と弟に紹介して2ヶ月も経たないうちに失踪。 亮介大いに落ち込む。 |
<シャギーヘッド>のメンバー
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・ 千絵
・ 細谷さん
・ 那智君
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読後感:
亮介をめぐる疑惑と恋愛のはなし。書かれていることが現実のものなのか、架空の小説の話なのか不思議で、あまり気持ちのいい内容ではない人殺しの手記(「ユリゴコロ」と題される)をめぐって興味を引き起こさせ、読者を物語の中に引き込んでいくこの小説。
沼田まほかるという作家のことが気になる作品である。先に読んだ「猫鳴り」がまた感銘を受けただけに、「ユリゴコロ」にも興味を持っていた。でもちょっと趣が違うようで、手記を読み始めたところでは少し気分が好ましくなかった。でも4冊のノートの後半あたりになってくると気持ちが変化してきた。
亮介の出生の秘密、亮介の生みの母は誰なのか、人殺しの血筋は自分の中にも流れているのか?
千絵の失踪はどうして? もう会えないのか? 母は何故交通事故でなくなったのか?
幼い頃肺炎で入院、退院後奈良の駒川市に移ってきて年数が過ぎ、いま手記を読んでいると幼い頃の記憶の中に母は入れ替わっていたのではと疑問を抱く。そこからのミステリー調は秀逸。
何とか平穏で血なまぐさいことは起きないでと願うような・・・。さてどういう結果になったのか・・・。
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