(作品は、額賀澪著 『風は山から吹いている』 二見書房による。)
本書 2021年(令和3年)5月刊行。
額賀澪(ぬかが・みお):(本書に記載なく、「ヒトリコ」より)
1990年、茨城県行方郡麻生町(原・行方市)生まれ。10歳の時に初めて小説を書く。
高校卒業後は小説家を目指し日本大学芸術学部文芸学科へ入学、創作やDTPを学ぶ。
卒業後は広告代理店に勤務、創作の仕事をしながら小説の創作を続ける。 2015年「ヒトリコ」(本作)で第16回小学館文庫小説賞受賞。同年「屋上のウインドノーツ」(「ウインドノーツ」を改題)で第22回松本清張賞を受賞。
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主な登場人物:
筑波岳 |
慶安大学1年生。穂高に、登山部入部を誘われる。
花見川総合高校クライミング部出身、部長だったが、大学ではクライミングをやめるとコーチに。
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国方晃
(くにかた・あきら)
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慶安大学スポーツ科学部3年生。
スポーツクライミング部部長。岳を入部に誘う。
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梓川穂高(あずさがわ) |
慶安大学3年生、ひとり登山部。岳に登山部入部を勧める。 |
水瀬文彦 |
ミステリ研究会会長。部員は一人。登山部と同室。 |
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宝田謙介 |
花見川総合高校クライミング部コーチ。岳にクライミングを続けることを勧める。
かってオリンピックの代表候補にもなったが、怪我で引退。
母校でコーチ人生。
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島本 |
花見川総合高校クライミング部の顧問。 |
小島 |
岳が大学で知り合った友人。 |
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物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
高校時代にスポーツクライミング部で名を馳せた岳。 訳あって大学では競技を続けないと心に決めていたが、変人と噂される登山部部長の梓川穂高につかまる。 幾度か一緒に山を登ったある日、岳のスマホに高校時代のコーチ宝田謙介からの着信があり…。
読後感:
主人公の筑波岳は高校時代スポーツクライミング部でインターハイ出場経験もある。
宝田謙介なる、オリンピックの代表候補にもなったが怪我で断念、今は社会人として企業で働きながら、クライミング部のコーチを務めている。 その彼から、大学でも続けることを勧められるが、岳はクライミングは辞めると告げて大学に進む。
大学では、変人と呼ばれる梓川穂高なる先輩に、登山部へ入る誘いを受ける。
かくて穂高と筑波山に同伴したことをきっかけに、登山の魅力を知る。
かくて山登りの展開が続くが、岳にも、穂高にも隠された秘密が存在していた。
岳がクライミングを諦めた理由。それはコーチの宝田謙介のセカンドキャリアのあり方にあり、口論をして別れていた。穂高には一緒に登山をしてくれる同伴者を求める理由があった。
宝田謙介の死を巡り、その真相を求めて二人の交流が描かれる。
読みながら、湊かなえのNHKのドラマ「山女日記」のシーンが思い出される。
登山の素晴らしさを実感、すがすがしい気持ちに満たされた。 |