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額賀澪著 『風は山から吹いている』 











                  
2022-10-25

(作品は、額賀澪著 『風は山から吹いている』          二見書房による。)

             


本書  2021年(令和3年)5月刊行。

額賀澪(ぬかが・みお)本書に記載なく、「ヒトリコ」より

 1990年、茨城県行方郡麻生町(原・行方市)生まれ。10歳の時に初めて小説を書く。 高校卒業後は小説家を目指し日本大学芸術学部文芸学科へ入学、創作やDTPを学ぶ。 卒業後は広告代理店に勤務、創作の仕事をしながら小説の創作を続ける。 2015年「ヒトリコ」(本作)で第16回小学館文庫小説賞受賞。同年「屋上のウインドノーツ」(「ウインドノーツ」を改題で第22回松本清張賞を受賞。

 主な登場人物:
筑波岳

慶安大学1年生。穂高に、登山部入部を誘われる。
花見川総合高校クライミング部出身、部長だったが、大学ではクライミングをやめるとコーチに。

国方晃
(くにかた・あきら)

慶安大学スポーツ科学部3年生。
スポーツクライミング部部長。岳を入部に誘う。

梓川穂高(あずさがわ) 慶安大学3年生、ひとり登山部。岳に登山部入部を勧める。
水瀬文彦 ミステリ研究会会長。部員は一人。登山部と同室。
宝田謙介

花見川総合高校クライミング部コーチ。岳にクライミングを続けることを勧める。
かってオリンピックの代表候補にもなったが、怪我で引退。
母校でコーチ人生。

島本 花見川総合高校クライミング部の顧問。
小島 岳が大学で知り合った友人。
 物語の概要:(図書館の紹介記事より。)

 高校時代にスポーツクライミング部で名を馳せた岳。 訳あって大学では競技を続けないと心に決めていたが、変人と噂される登山部部長の梓川穂高につかまる。 幾度か一緒に山を登ったある日、岳のスマホに高校時代のコーチ宝田謙介からの着信があり…。
 
 読後感:
 
  主人公の筑波岳は高校時代スポーツクライミング部でインターハイ出場経験もある。
 宝田謙介なる、オリンピックの代表候補にもなったが怪我で断念、今は社会人として企業で働きながら、クライミング部のコーチを務めている。 その彼から、大学でも続けることを勧められるが、岳はクライミングは辞めると告げて大学に進む。
 大学では、変人と呼ばれる梓川穂高なる先輩に、登山部へ入る誘いを受ける。
 かくて穂高と筑波山に同伴したことをきっかけに、登山の魅力を知る。
 かくて山登りの展開が続くが、岳にも、穂高にも隠された秘密が存在していた。

 岳がクライミングを諦めた理由。それはコーチの宝田謙介のセカンドキャリアのあり方にあり、口論をして別れていた。穂高には一緒に登山をしてくれる同伴者を求める理由があった。
 宝田謙介の死を巡り、その真相を求めて二人の交流が描かれる。

 読みながら、湊かなえのNHKのドラマ「山女日記」のシーンが思い出される。
 登山の素晴らしさを実感、すがすがしい気持ちに満たされた。


余談:

 スポーツクライミングの説明に再認識。
 ウォールっていう人工の壁を、ホールドを手がかりに登るのがスポーツクライミング。 その中には3種目があり、
 ・タイムを競うスピード。
 ・課題をいくつクリアできたかを競うボルダリング。
 ・どれだけ高くのぼれたかを競うリード。
 

 

                    

                          

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