◇凍れる瞳
(しばれる) |
スタルヒンの命日に孫娘の礼子と祖母の良子が毎年銅像に華を手向けに。許嫁の田原完治とスタルヒンの逸話を礼子に語る。 |
太田礼治
妻 秋子
(旧姓 藤堂)
娘 礼子
(18歳) |
札幌市内のデパートに勤務。藤堂良子の娘秋子と結婚。
母(良子)の夫が倒れ、母は旅館をたたんで秋子たちの市営住宅で同居する。母は孫娘の礼子を伴って毎年1月12日のヴィクトル・スタルヒンの命日に、旭川にあるスタルヒン球場の銅像に華を手向けに訪れている。 |
藤堂良子
夫 利助(没) |
美瑛で藤堂旅館を営んでいたが、夫の死後札幌の秋子と同居するようになる。 |
田原完治 |
藤堂良子の婚約者。野付牛中学時代(昭和8年)スタルヒンと投げ合って、ノーヒットノーランをきす。軍人、函館第一俘虜収容所室蘭分所長に。戦後B級戦犯として死刑判決を受ける。 |
◇頭領と親友 |
マタギの世界の年を重ねての変化と悲しい結末。 |
高杉清作
(67歳) |
秋田の阿仁町晩鳥内地区のマタギの頭領を10年前から務める。 |
綿引武
(43歳)
妻 八重子 |
阿仁警察署中原駐在所に24年勤務。村の世話役として重宝がられる。 |
江上岩三
(64歳) |
呼称 ガンゾウ。元々マタギ、鉄砲の腕は下手、腕力でカバー。 |
◇夜の運河 |
タイ出身の娼婦と店のマスター大石実の運命・・。 |
荒井和行
(58歳)
妻 トシ子 |
埼玉県の大宮で「アライ」という電気工事店を営む。
町内会の旅行でバンコクに行った夜・・・。 |
大石実 |
バー「アユタヤ」のマスター。若い頃は父のサバ一本釣漁船に乗っていた。サバまき網漁船とのトラブルで廃業、水商売に。 |
クムサット・アラム(18歳)
チリキット・ナムクン
(24歳) |
タイ出身、大石実に請われてふたり日本に来る。
アラムは、娼婦の母親が父親は日本人といい、父親探しのため日本に。いつも人を小馬鹿にしたようなところが人気。
ナムクンは痩せているが気力でせっせと金をためるために頑張る。 |
◇端島の女 |
端島(通称軍艦島)の炭鉱で育った女が北の山峡湯ノ沢での経験を経て、再び廃墟の端島を訪れる。 |
岡部諄子
(じゅんこ)
(39歳)
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端島で生まれ育ち、祭りの日に母が倒れてひとりに。その時知り合った池原と結婚、湯ノ沢に。
父はケツワリ(炭鉱を渡り歩く抗夫)であったが、母と二人で端島に移り住む。父は台風で波にのまれて行方不明に。 |
池原耕作 |
北の山峡湯ノ沢出身、端島の炭鉱にいたとき諄子と知り合う。 |