物語の内容:
『天使の卵』から10年。歩太・夏姫、29歳。8歳年下の男に熱愛される夏姫…。愛を失った歩太と夏姫は再び愛を取り戻すことができるのか。傷ついた3人が織りなす切ない愛のドラマ。
読後感:
たまたま「星々の船」とパラに本書を読み進めていたら、「星々の船」に比べなにか薄っぺらな感じを受け、途中で「天使の梯子」の方は間を空けることにした。
「星々の船」が感動的だったのでしばらくこの方は置いておき、時間が立ってから続きを読み出した。
後半になってばあちゃんが俺の暴言の後、急に心筋梗塞で亡くなり、その後悔で慎一が落ち込んでいくあたりから一気に物語に引き込まれていった。
夏姫の突然学校を辞めた理由や歩太に絵を描かせたい理由、夏姫と歩太との関係、はたまた慎一との付き合い具合、そして歩太が昔人物画で賞を取ったのに今は塗装職人となり人物画を描こうとしない理由、そんな判らないことがいっぱい。 慎一が歩太の塗装現場を見に行き言葉を交わすことで次第にコミュニケーションをとるようになる過程で解き明かされていき次第にクライマックスに駆け上っていく。 やはり作家の力量だなあと感じさせる。
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