主な登場人物:
岸本紀子(のりこ)
(主人公 私)
姉 景子(三つ年上)
両親
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*小学4年生時<第一章>好恵
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仲良しグループの誕生会にまつわる悲話。
ごく普通の女の子。リアクションの達人で、男の子達に人気がある。同じグループ(六人組)のひとり。
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大崎春子 |
同じグループ(六人組)の仲良し。 |
*小学5年生時<第二章>
深沢サヨ子
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校長や教頭より前から住み着く担任の先生。成績至上主義とえこひいきの手強い敵黒魔女。姉が5,6年の担任の時はほとんど学校に行かず。 |
鳥井真雪(まさゆき) |
幼稚園から私とずっと同じクラスの腐れ縁。 |
*小学6年生時<第三章>
私、春子、クー子
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千葉に3人で遠出、私の新たな恋がガラガラと音を立てて崩れていく。 |
*中学1年生時<第四章>
茅野勇介
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私と同じ1年E組、惹かれていたが、千葉で万引き場面見てしまう。知らない先輩のアパートに入り込むことも。きゅょうきゅうになっていた私を解き放ってくれたのも事実。 |
*中学2年生時<第五章>
私、ヒロ、瑞穂
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みんな少しずつ壊れていて、その欠陥を思い詰めるより、騒いで誤魔化すことに熱心。万引き騒動。ヒロと私少しずつ心を開くようになり、先輩のアパートから遠ざかるように。 |
*中学3年生時<第六章>
岸本家の家族旅行
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大分別府に2泊3日の家族旅行。旅行の目的、父と母の離婚問題解決と姉景子の同棲、破綻修復。 |
*高校1年生時<第七章>
円さん(まどか)
森住さん
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小さな欧風レストラン<ラ・ルーシュ>にアルバイト。
人間関係による雰囲気、チームワーク、破綻の顛末。
・円さん ホールの女王蜂
・森住さん 料理長。
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*高校2年生時<第八章>
保田健一
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安田君との人違いのまま動き出した私と保田君の恋のほろ苦い結末。 |
*高校3年生時<第九章>
渡辺元道
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進路未定組の私たちの連帯感。
二つの星が私の前から遠ざかる。姉の景子と大崎春子。
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物語の概要:図書館の紹介文より
苦い後味ばかりが残りそうになった10歳の誕生日。 たださびしさだけに砕けて散りそうだった12歳の別れ。 青々とした10代を翔けぬけた少女の季節を、昭和50?60年代を背景に描く。 著者初の「大人への物語」。
読後感:
三浦しをんのエッセイ 「三四郎はそれから門を出た」 に書評があった。 中学生のころに私はなにをしていたっけなあ、と。 そのころの気持ちを思い出させてくれるのが、 『永遠の出口』 だ 「永遠」 という言葉にものすごい価値があるように思っていた紀子の、小学三年生から高校三年生に至るまでの成長の物語。 ・・懐古的に味わうためのものになってなく、笑ったり悩んだりしながら「この瞬間」を過ごすすべての人たちのために書かれている。 そこがとても魅力的」と。
各章が小学校三年生から高校三年生までの出来事が綴られているが、最初の第一章
「永遠の出口」 を読んでここだけでこの作品を読んだような大きな衝撃を受けた。 お誕生会のことで描写されているグループの少女たちの心情、機微、揺れ、とまどいそんな雰囲気が実に緻密に伝わってきて、その時の子供心がぐっと迫ってくる。
紀子の心情もさることながら、自分の誕生会で母親が 「うちはね、誕生会はやらないことにしてるの。 だから、好恵が何いったか知らないけれど、今日は帰ってね」
といって何も出さなかったことに好恵の友だちに対する心情はいかばかりだったか。 その後紀子の誕生会で好恵は呼ばれず、プレゼントとだけことずける。 後ろめたかった紀子が急いで好恵の家に行き、そこで母親が気遣って夕食を一緒に食べさせた帰り道、好恵が
「うちのお母さんの料理おいしかったって、明日、学校でみんなに言ってくれる?」
という好恵の気持ちはいかばかりだったか。 なんともいじらしく切なくて。 こんなに女の子の内面の気持ちを表せる作家はすばらしい。
感受性の鋭い時代、枝道に逸れたり、恋のほろ苦さを体験したり、お互い分かり合えたり、別れがあったり他の章でもその心理の機微が存分に感じられ、素敵な作家にまた巡り会えた思いである。
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