三上延:
電撃文庫「ダーク・バイオレッツ」にてデビュー。ホラーからファンタジーまで、幅広い作風で縦横に活躍中。丁寧に紡がれる物語には、根強いファンが多い。
時は東日本大震災後(2010.3.11)の20日あまり4月。
篠川栞子 妹 文香 母親 篠川智恵子
JR本線北鎌倉のすぐ側にあるビブリア古書堂の主、25歳。 母親の智恵子は10年前、家を飛び出して音沙汰ナシの状態だったが・・・。古書の知識は栞子以上。
鹿山明 息子 義彦
来城慶子 (キシロケイコ) 妹 田辺邦子
古書に詳しい人に来て貰いたいとビブリア古書堂の依頼主。 車椅子生活とのどをやられて。
どういうわけか地震が話題になる作品が続く。この作品の前に読んでいたのが有川浩の「空飛ぶ広報室」で最後の章が東日本大震災のこと、今回も最初の出だしが地震のことである。実はビブリア古書堂の事件手帖3も以前に読んでなんだか1,2でその面白さが尽きたのではないかと思っていた。その後テレビで放映されていたのがおもしろかったので、4を読み始めた。そうしたらドラマを見たことの影響か、地震の方のことの影響か、すぐに感情移入が始まって・・・。 本作品シリーズ4はテレビで放映された第10話「江戸川乱歩!?」と最終回「乱歩が残した間違った暗号!?」の原作にあたる。今まで短編であったのが、長編になっているのも一貫していて読みやすい。 先にドラマの方を見ていたので配役の印象がどうも先行してしまうが、ドラマとどう違うのかなとか、栞子と大輔の恋の行方は小説の方が感情を描写できるのでやはりおもしろい。