物語の概要:(図書館の紹介記事より。)
私鉄と銀行のシステムが次々にダウン。不審に思った竜崎はいち早く署員を向かわせるが、警視庁生安部長から横槍が入る。さらに、管内で殺人事件が発生。だが、伊丹から異動の噂があると聞かされた竜崎はこれまでになく動揺していた…。
読後感:
隠蔽捜査シリーズの7、いままで1〜3まで読んでいて、久しぶりの作品となる。やはり降格人事での大森署署長の竜崎の活動で、同期の伊丹との忌憚なき付き合い方は健在。
今回の竜崎は捜査本部の真っ最中に人事異動の話が出て、これまでの所轄での慣れに親しみかけている自分を顧みることにもなったり、本部でのキャリアの仕事では得られなかった所轄の生活で得るところもあった。
さて、今回の事件は私鉄のシステムダウンとさらに、時をおかずに銀行でのシステムダウンが続いたことで、所轄外の場所にサイバー犯罪に詳しい人間を状況調査のために大森署から送り出す。そのことで第二方面本部長や、本部の生安部からクレームが来るも、はねつける。
そんな時、殺人事件が発生する。札付きの少年(18歳)の玉井が溺死させられた。
少年係の根岸が非行グループの少年達を聴取したところ、若者達の間で“ルナリアンが支配する”という様なことが話題になっていると。
“ルナリアン”とは月世界の人という意味らしいが、果たして何のことやら・・・。
サイバー攻撃のハッカーと、半グレの玉井リーダーの殺害に関連性があるのか、玉井の恐喝でいじめられ引きこもり気味の芦辺雅人や玉井グループの3少年への事情聴取で果たしてどのような展開になっていくのか、なかなか興味深い。
一方で竜崎の家庭の揉め事も竜崎を悩ませる。妻の冴子の何があっても動じない様子が頼もしい。
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