物語の概要:
ベテラン警部補がはまった最大の罠。17歳のいかれたダンサー・英次は刑事の父を救うため、無謀な賭けに出た。
裏切り、ごまかし、殺人…。絶望に満ちた街で奮闘する刑事達。書き下ろし野心作900枚。
主な登場人物:
島崎洋平
妻 好子
長男 丈太郎
次男 英次
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警視庁刑事部捜査二課警部補。日和銀行の不良債権隠しの捜査を担当している。
柔道の競技に期待されているが、英次は学校を中退、グレて家に引きこもり、家族の余計者と思われていると思っている。
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樋口顕(あきら)
妻
娘 照美
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捜査一課第三強行犯係の係長。(もともと公安畑出身)島崎より5つ年下。生真面目でおとなしい男。島崎とは全く違うタイプの男。富岡殺人事件の捜査本部で予備班として島崎と仕事をすることに。 |
天童隆一 |
捜査一課第一強行犯係の係長。島崎と付き合いは古い。 |
富岡和夫 |
日和銀行本店運用計画課課長代理。島崎の大学の柔道部後輩、近所の柔道教室の指導員。島崎の二人の息子も世話になっている。警察の動きを銀行のために知る必要から丈太郎を利用して島崎から情報取得をはかり・・・。 |
読後感:
サスペンスもの推理小説には犯人捜しの推理、筋の運びのおもしろさで引き込まれるなかで印象に残るものが多い。 この作品もそういうものかと思いながら娯楽作品として見ていたら、途中から体育会系で独りよがりな島崎警部補と5つ年下の担当の課は違うが、一見インテリ風、ポーカーフェイスの樋口警部補の家庭事情を含めた感情の行き違い、心配する家族の悩み事に親近感を覚えるようになり、ほんわかとしたものを感じるようになった。 また、ダンスというものへの見方もよく分かってきて得をした感じである。
男社会の情けといったものもあり、読んだ後に残るものがあった。 さらにこの後この作家の作品を読んでいこうと思えた。
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