貴志裕介著 
          『硝子のハンマー』 





                
2014-03-25


(作品は、貴志裕介著 『硝子のハンマー』   角川文庫 による。)

           
 
 

 単行本 2004年(平成16年)4月発行。
 本書 2007年(平成19年)10月刊行。

貴志祐介:(本書より)

 1959年大阪府生まれ。京都大学経済学部卒。生命保険会社に勤務後、作家に。
‘96年「ISOLA」が日本ホラー小説大賞長編賞佳作になり、「十三番目の人格ISOLA」と改題して角川ホラー文庫より刊行される。翌年「黒い家」で第4回日本ホラー小説大賞受賞、同書は100万部を超えるベストセラーとなる。2005年、本書「硝子のハンマー」で日本推理作家協会賞、’08年「新世界より」で日本SF大賞、10年「悪の経典」で山田風太郎賞を受賞。ほかに「天使の囀り」「クリムゾンの迷宮」「青の炎」「狐火の家」「ダークゾーン」がある。

◇ 主な登場人物

青砥純子

レスキュー法律事務所の弁護士。
・今村弁護士

榎本径 防犯コンサルタントで防犯ショップの店長。
<ベイルーフ社の人達> 介護サービスを主に扱う。六本木センタービル(通称ロクセンビル)の最上階(12階)を重役室フロアにその下3階フロアを占める。
穎原昭造(えばら) 社長
穎原雅樹 副社長
久永篤二(とくじ) 専務
秘書たち

・川村忍 専務の秘書。
・伊藤寛美 社長秘書。
・松本さやか 副社長秘書。

その他

・岩切 介護ロボット「ルピナスV」の開発担当。
・藤掛顧問弁護士。

沢田正憲(まさのり) 千代田警備保障の社員、53歳。勤務して3ヶ月。
石井亨(りょう) 同、若手。

椎名章(あきら)
別名 佐藤学

渋谷ビルメンテナンスの社員。

物語の概要:図書館の紹介より

エレベータに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。弁護士純子は、逮捕された専務の無実を信じ、防犯コンサルタント榎本の元を訪れるが…。

読後感:

 密室殺人を解き明かす過程がおもしろい。榎本と青砥純子のアイデア合戦、さらには鍵のピッキングに関する話題といい、監視カメラや硝子の加工技術に関する内容とか興味が尽きない。それもその筈、この著者の取材が徹底しているし、先を見たテーマが現在に生きていたらしい。(作品の後ろの対談記事より)

 ところで最初の大きな段階が終わった後、次に展開したのが全く関係のない人物の出現におやっと思わせられる。親の残した借金を背負わされヤクザから逃走した椎名章。次第に社長室の秘密に関わる展開に先の章の謎の解き明かしにつながって来るという展開。
 ミステリーとしても結構おもしろく楽しめた作品であった。


余談:
 防犯に関する色々な描写が非常に有意義でそんなことも楽しく読めた。

       背景画は、本作品の舞台となったガラス張りのビルをイメージして。       

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