速水達吉
妻 滝
三男二女をもうける。
長女:桃子 |
(衣子の祖父)新開地横浜に夢を託し、20歳で故郷を後にする。性格は豪放磊落(らいらく)、小気味のよい男前も手伝って人に好かれる。プロの画家ではなかったが、生涯の一時期絵筆を持つ。野人かと思うと信じられないくらい繊細で、しかもいつも未知なるものへのエネルギーに溢れていた。一時、滝と五人の子供を残し、単身ヨーロツパに渡る。
一方、滝は「買い食いはせず、おやつはみんなで家で食べる」と厳しい躾で子供達を育てる。しかし、辰吉が渡海して留守を守っていた滝にいつの頃からか微妙な変化が現れだした。 |
刈谷亮
(りょう)
刈谷桃子
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衣子の父、国語の先生。
桃子の幼児期、こぼれるような天性の愛嬌があり、誰からも好かれた。
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刈屋衣子
(岸恵子に当たる) |
どこかにしんと静まりかえった孤独がある。やたらと甘えかからないところは母親似だが、時折ハッとする冷たい視線で何処かを凝視する。だからといって暗い、陰気な子ではない。
フランス映画に出演したことで、大きく飛躍、愛する来栖堯を忘れ、19歳でフランスに行き、ドキュメンタリストとしてセルジュ監督のもと活躍。スキーで遭難しかかった時に助けられた、ロイックと結ばれる。
思春期、どんな男をもたじろがせるほどの、女の魅力をしっかりと携えていながら、幼児のようにキラキラと透き通っている。
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来栖堯
(くるすたかし) |
衣子が高校一年の時に出合った医大の学生、フランス語の先生。
来栖のおかげでフランス映画界にデビューのきっかけを作ってくれる。その後は衣子の忘れえない恋人であり、心の支えの人物。複雑な家庭環境あり。
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セルジュ・フォレスティエ監督 |
フランス映画「ジャポン」の監督、その後フランスでの見受け率い家人となり、衣子をフランスに招待する。 |
ロイック
・ラヴィリエ |
衣子の夫。辰吉の申し子のような人物。宮仕えは性に合わないと、ユダヤ商人の子として世界を駆け回って商売をする豪胆磊落に生きた男。実はラウルの忘れ形見。
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フィリップ
・ラヴィリエ |
横浜の領事館に赴任、辰吉が菊花展覧会コンクールで一等賞の「女狐」を所望したのがきっかけで知り合うフランス人。それから速水家との深く長い付き合いが始まる。 |
ダニエル
・オーブリー |
骨董商、趣味で画商のようなことをやる。辰吉の絵をフランスに紹介。ダニエル・オーブリーの斡旋で辰吉、フランスに渡る。 |
ラウル |
フィリップ・ラヴィリエが伴う日本語が達者なユダヤ人。ラウルの父は「ドレフュス事件」でドイツ機密漏洩の濡れ衣で悪魔島に長いこと捉えられたユダヤ人。ラウルは大戦時ドイツ・ゲシュタポに殺害される。 |