2007-09-25
(作品は、ほるぷ出版による) 雪国: 昭和46年(1971)5月11日より昭和47(1972)4月10日までの朝日新聞朝刊に三浦綾子「氷点」に続く新聞小説として333回に渡って連載。 ◇あとがきより はじめは「文藝春秋」昭和10年1月号に40枚ほどの短編として書くつもり、その短編一つでこの材料は片づくはずが、「文藝春秋」の締切に終わりまで書ききれなかったために、同月号だが締切の数日おそい「改造」にその続きを書き継ぐことになり、この材料を扱う日数の加わるにつれて、余情が後日に残り、初めのつもりとはちがったものになったのである。私にはこくな風にして出来た作品が少なくない。 |
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主な登場人物:
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読後感: 最初図書館から借りたのは、川端康成全集第二十四巻、雪国(プレオリジナル)とあった。 |
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印象に残る表現:: この作品は最初のフレーズもそうだが、表現が堪らなく素敵で、なんども読み返してみたい小説である。その幾つかを掲げる。 ◇ 島村が東京に帰るのを駒子が駅に見送りに来ていた時、葉子が(師匠の息子)行男の異変を知らせに来て、戻るように言った時: 「君が東京へ売られていく時、ただ一人見送ってくれた人じゃないか。一番古い日記の、一番初めに書いてある、その人の最後を見送らんという法があるか。その人の命の一番終わりの頁に、君を書きに行くんだ。」 |
余談: ずっと読み継がれた作品というものには、それだけの値打ちがあるものだ。この「雪国」の作品を改めて読んでみて、その表現の美しさに惚れ惚れする。 |