(作品は、カルロス・ルイス・サフォン著『天使のゲーム』 集英社文庫による)
本書 2012年(平成24年)7月刊行。 |
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◇物語の概要(本書の裏表紙文より) 1917年、バルセロナ。17歳のダビッドは、雑用係を務めていた新聞社から、短編を書くチャンスを与えられた。1年後、独立したダビッドは、旧市街の“塔の館”に移り住み、執筆活動を続ける。ある日、謎の編集人から、1年間彼のために執筆するかわりに、高額の報酬と“望むもの”を与えるというオファーを受ける。世界的ベストセラー『風の影』に続いて“忘れられた本の墓場”が登場する第2弾。 ◇主な登場人物たち
(補足) バルセロナ スペインの首都マドリードに次ぐ大都市。 |
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読後感: 『風の影』で興味を引かれ、最近刊行された本書を読む。物書きを扱う作品には何故か興味があり、主人公のダビッドが奇妙なオファーを受けた作品作りに至る過程もなかなか謎のある展開である。 そんな中、ダビッドのアシスタントとなるイサベッラの、そこに至るまでのダビットへの接し方とアシスタントになってからの彼女の言葉のやりとりや変化する様子がなかなかおもしろく感じられる。 さて、『風の影』で登場していたセンペーレと息子の書店、バルセロの古書店、“忘れられた本の墓場”といった人や場所、はたまたバルセロナの地図にも共通した箇所が随所に出てきて、なんだか馴染みの場所のように感じて、読み心地もこの上ない。 上巻と下巻の入手に大分間が空いたので、上巻のうっすらとした想い出しかなくなっていた。下巻は何となく読みやすくなったような感じも。 奥深い作品であることに又の機会に挑戦してみたい。 |
余談: はっきりいって「風の影」の方が断然面白かったかなと。憎まれる対象がはっきりしていること、今回の場合、ディエゴ・マルラスカなる人物像がうまく結べなかったのが大きいかなと。ただ、前作と地理的内容がバルセロナと同じでなんだか馴染みの場所であることが親近感が持て、やはり舞台が身近に感じられる展開は親近感があっていい。 |
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背景画は本書にも出てくる路面電車のフォト(インターネットから)を利用。 |