本書 2003年(平成15年)8月刊行。 書き下ろし作品 2004年大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理協会賞の史上初の三冠受賞作品。
1966年長崎生まれ。筑波大学卒。2000年「午前三時のルースター」で、第17回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビュー。01年、第二作「ヒートアイランド」(共に文芸春秋刊)で、渋谷のストリートギャングと裏金強奪のプロフェショナルたちの行く詰まる攻防を描き、そのクールな文体とグループ感溢れる世界観が各紙誌の絶賛を浴びる。本作品は二ヶ月に亘る南米での取材と一年間の執筆期間をかけた、著者渾身の書き下ろしである。
衛籐
野口啓一(37歳) (呼称 ケイ)
松尾信彦(37歳) (呼称 ノブ)
表の顔は宝飾品小売業の社長。日系二世のコロンビア人。 シンジケートのドン アドレス・パストラーナ・バルガスに 5歳の時拾われ育ち恩を感じている。 アマゾン上流の僻地ではケイとノブの幼い時を過ごした。
NBS.TVの看板番組の一つ“ジャパン・エクスプレス”のプロデューサー、40代半ば。 ・及川 貴子に思いを寄せる若者。貴子とのコンビで事件に関わる。
・秋津管理官 特殊班第一特殊所属。30代後半。田川と秋津は警察大学の同期で、秋津の方が4つ年上の警視。 ・岩永警部 捜査一課二係。
灼熱の原野に棄てられ、地獄の底を這った男たち。その復讐計画に巻き込まれてゆくテレビ局の女。40数年の歳月を経た今、日本政府との戦いが始まった…。圧倒的なスケールと精細な筆致で描く、史上最強の犯罪小説。
背景画は作品の中に出てくる、復讐計画のターゲットとなった芝公園NSビル。