印象に残る場面:
◇美津江が、仲の好かって福村昭子のおかあさん(美津江に実のおかやんのように優しかった)に会いに行って言われた言葉:
美津江 おかあさんはうちの顔お見てごつうよろこんで、ぶらあ起きあがると、うちを力いっぱい抱きしめて、よう来てくれたいうてくれんさった。ところが、昭子さんのことを話してくださっとるうちに、いきなりおかあさんの顔が変わって、うちを睨みつけて(言えなくなる)・・・
竹 造 どうなさったんいうんじゃ。
美津江 「なひてあんたが生きとるん」
竹 造 ・・・・・!
美津江 「うちの子じゃのうて、あんたが生きとるんはなんてでですか」
少しの間
美津江 そのおかあさんも月末には亡うなってしまわれたけえど・・・。
竹 造 つまらん気休めいうようじゃが、昭子さんのおかやんは、そんとき、ちいーっと気が迷うて、そよなことを・・・、
美津江 (はげしく首を振って)うちが生きのこったんが不自然なんじゃ。
竹 造 なにいうとるんじゃ・・・。
美津江 うち、生きとるんが申しわけのうてならん。
竹 造 そよなこと口が裂けても口にすなや。
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