主な登場人物:
『ダッシュ』
菅野桃子
(通称 ねーさん)
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私立春日部学園高校3年の先輩。天才アスリート、陸上部のエース。170cmの長身、世話好きで心配性。お節介だけど優しい性格。ぼくら4人のあこがれの先輩。
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井上健一(ぼく)
(通称 イノケン)
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同校2年生。陸上部、短距離パート。4人ともねーさんを慕い、恋している。
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門倉猛
(通称 メタボン)
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同校2年、陸上部、ただひとりの投擲パート。170cm125キロ、強度の鉄道オタク。ぼくと中学から高校同じ。
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結城遼一
(通称 リョーイチ)
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同校2年、元陸上部。高校に入ったばかりの4月、リョーイチの両親は離婚。クールさが人気、押し出しの強いイケメン男。 |
富田裕助
(通称 わび助)
父親 一徹
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同校2年、元陸上部。リョーイチと小学校からの仲間。自意識過剰、対人恐怖症気味。魚屋“魚まさ”の息子。
・父親の一徹は厳しい父親。
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草野頼子 |
同校1年、陸上部、ぼくとコンビ組む。 |
桜井先生
(通称 ゲンカク)
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陸上部の部長。 |
杉田達也 |
菅野桃子の元カレ。高校3年の3学期突然プロのサーファーを目指すと退学、海外へ。 |
『交渉人』
遠野麻衣子 |
高輪署経理課勤務、警部29歳。キャリア組。特殊捜査班一係に配属時交渉人としての研修中、指導役の石田警視正との不倫を理由に所轄署に飛ばされて2年。小出総合病院立てこもり事件に対する特殊捜査班の石田警視正到着までの交渉役を命じられる。 |
警視庁の幹部たち |
・長谷川均 警備部警護課課長。
・石田修平 警備部警護課特殊捜査班課長代理、警視正。小出総合病院立てこもり事件の指揮者。
・金本参事官 警備部警護課。
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品川署の刑事 |
・安藤警部補。 コンビニ強盗犯の小出総合病院立てこもり事件に対する本庁の人間が到着までの臨時指揮官。
・戸井田巡査部長。
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立て籠もり犯 |
・越野(コシノ)背の高い年齢上、リーダー。
・小宮(コミヤ)40代? 寡黙、親切?
・永井(ナガイ) 20代後半? おしゃべり、凶暴。子供好き?
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小出総合病院関係者 |
個人の経営としては東京都でも有数の規模の病院。
・小出伸明 院長。
・小出陽一 副医院長。
・飯野外科医。
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物語の概要: 図書館の紹介より
『ダッシュ』
陸上部のスーパーレディ「ねーさん」に思いをよせるイノケンたち4人。足を切断することになった彼女の願いをかなえるため、命をかけて奔走する…。アホな高校生たちの一途さが胸を打つ痛快直球青春小説。
『交渉人』
救急病院の患者を人質に立てこもる3人組。警視庁は500人体制で周囲を囲む。FBI仕込みの警視庁犯罪交渉人が犯人を懐柔していき、事件は解決間近と思われたが…。最新型の犯罪交渉サスペンス。
読後感:
『ダッシュ』
男気のある、陸上部1年先輩のねーさんこと菅野桃子を慕う4人のガキがねーさんの一大事に、ない知恵と純真さでもって尽くす様がすがすがしく、笑ってしまったり、しんみりしたりと青春ものとして非常に楽しめる作品であった。
その中でも骨肉腫で左足を切断する手術の前後の様子は現実味を覚え、こういう、人の気持ちを考えさせられる時を得たという印象である。その時の心理描写に本人、家族、そして4人の心情が切なくて、しんみりとしてしまう。
リハビリの時の描写、元カレとの対処描写、元カレの人間離れした対応といい読んでいて気持ちの高ぶる内容である。
ラストの成田空港での杉田にねーさんを会わせたいとする四人の無免許で行ったこともない成田までの高速道路の走行、おまけにガス欠、お巡りさんとの尋問のはちゃめちゃ行。しかもそんな優しいお巡りさんがいるものかと思える顛末は青春ものの小説としては十分許せる内容か。
なかなか楽しい読み物だった。後輩の草野頼子の存在はちいねーさんを思わせる雰囲気でこれまた楽しい限りである。
『交渉人』
先に読んだ「交渉人・遠野麻衣子最後の事件」作品中に出ていた石田修平警視正の2年前の殺人事件の真相を知りたくて最初の作品である本作品「交渉人」を手に取った。
本作品に登場する石田修平警視正は遠野麻衣子が尊敬する、そしてかっては恋人的でもあった存在で、その行動ぶりはすこぶる魅力的というか鮮やかすぎる感があり、ちょっと違和感さえあった。
それは麻衣子と安藤警部補の交渉に関するテクニックの解説のやりとりにやや不快感さえ覚えるほど。
果たして後半、事の真相が明らかになる時納得できるものとなった。
犯人たちが病院に籠城し、石田警視正との交渉の中で展開する描写はミステリアスでなかなか面白かったが、真相が明らかになり、犯人が動機を説明する段になると、どういうわけか感情移入する事ができなくなり、しらけたようになってしまったのはどうしたことだろうか。
そして遠野麻衣子の最初の方の初々しさが真相を暴く段階では石田と同等ないし、石田をもしのぐ解析力を持っている点に違和感さえ。
そんな感じを除いて、あの「交渉人 遠野麻衣子・最後の事件」の遠野麻衣子を思い返すとなるほどこういう経験を経ての姿だったのかと理解できたし、こちらの方が自然に感じられた。
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