百田 尚樹著 『プリズム』 
 




              
2013-07-25



    (作品は、百田尚樹著 『プリズム』  幻冬舎による。)

          
           

 本書 2011年(平成23年)10月刊行。書き下ろし作品。


 百田尚樹
(ひゃくたなおき)(本書より)

 1956年大阪生まれ。放送作家として「探偵!ナイトスクープ」などの番組で活躍後、2006年「永遠の0」で作家デビュー。同書は2009年に文庫化され、大ベストセラーとなる。高校ボクシングをテーマにした青春小説「ボックス!」は2010年に映画化された。多の著書に「幸福な生活」「錨を上げよ」「影法師」「モンスター」「風の中のマリア」「輝く夜」「リング」か゜ある。 
 

主な登場人物:

梅田聡子(さとこ)
(私)
夫 康弘

2年前体調を崩して退職、家庭教師センターから岩本家に算数の家庭教師として通う、32歳。不妊治療を受けている。
夫の康弘 出版社勤務、現在は文芸誌の編集担当の34歳。

岩本家
主人 洋一郎

息子 修一
弟 広志
父親 重雄(没)

成城の高級住宅街に住む。
洋一郎は社長の肩書きを持つ40歳位の男。
広志 大学で暴力事件を起こし自宅静養中。重雄と妾との間の子、31歳。小さい時に性的虐待を受け多重人格が現れる。

多重人格者たち

・村田卓也 
・宮本純也
・タケシ
etc

進藤先生 岩本広志の解離性同一性障害のカウンセリングを受けているクリニックの先生。

物語の概要:

 世田谷に古い洋館を構えるある家に、家庭教師として通うことになった聡子の前に、ある日屋敷の離れに住む謎の少年が現れる。聡子はいつしか彼に惹かれていくが…。哀しくミステリアスな恋愛小説。

読後感:
 

 何か多重人格の解説を読んでいるような、解離性同一性障害という岩本広志なる人物から派生する5人もの人物(最初は12人の人格があったという)と出会う梅田聡子とそれぞれの関わり合い。それがクリニックの進藤先生の解説で明かされる。

 今までに読んだ小説でも多重人格の話は経験有るが、こんなに多くの人格が存在するのは初めてで、どういう話になるのやらと思っていたら、その中でも理想的な人格の村田拓也と恋に落ちてしまう話。しかも岩本広志から時に別人へと切り替わっていたりして、なんとも不可思議な状況。ミステリーでもナシ、どうも恋愛小説でもありあまり感情移入することもなく、とばし読みに。百田尚樹なる作家の作品はこんな作品なのかとちょっと気落ち気味。別の作品を見てみたい。

  

余談:
 百田尚樹の「永遠の0」という作家デビュー作品が本屋大賞を受賞して、本屋の目立つ場所に置かれている。やはりその作品は読んでみたいと今手にしている。やはりこちらの作品の方がいいかなと思う。次回取り上げたい。
 
背景画は本作品とは関係ないが、多重人格を扱った「ISOLA 多重人格少女」(角川映画)の画面より。