東野圭吾著
 『プラチナデータ』 



  
                      
 



                    2012-10-25


  (作品は、東野圭吾著 『プラチナデータ』 幻冬舎による。)

          
 

 
 本書 2010年(平成22年)6月刊行。

 東野圭吾 (ひがしのけいご):
 1958年大阪生まれ。1985年「放課後」で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。 1999年「秘密」で第52回推理作家協会賞受賞。
読物語の概要:

  確信は疑念に、追う者は追われる者に。すべての謎は、DNAが解決する。信じられるのは、科学か、自分自身か…。数々の名作を生み出してきた著者が、究極の謎「人間の心」に迫る。

主な登場人物:

浅間玲司

警視庁捜査一課警部補。
捜査一課の面々
・那須課長
・木場係長 浅間の直接の上司。
・後輩の戸倉

志賀孝志

警察庁特殊解析研究所所長。
NF13連続婦女暴行殺人事件、蓼科兄妹殺人事件の指揮を執る。

神楽(かぐら)龍平 警解研の主任解析員。二重人格者、“リュウ”と呼ぶ存在が出現し、蓼科兄妹殺しの犯人かも・・?

蓼科耕作
妹 早樹(さき)

蓼科早樹は天才的数学者、重度の精神的疾患有り、DNA捜査システムの生みの親。
兄の耕作は早樹の仲介役。

水上洋次郎 新世紀大学病院脳神経科教授、多重人格研究者の第一人者。神楽の相談相手。
白鳥里沙 アメリカでDNAプロファイリングを研究、日本のDNA捜査システム技術修得のため志賀の所に来て、神楽の助手として働きだすが・・・。
穂高 警察庁の科学警察研究所から派遣の特別鑑識チームの責任者。
(補足) 
 NF13 Not Found 13番目) DNA捜査システムで検索しても、犯人につながる候補者が出てこない(データが存在しない)。

読後感 

 NF13という連続婦女暴行殺人事件の犯人捜しに、DNA捜査システムというデータだけに頼る犯人探しに何か危うさを感じていたら、やはり秘密が隠されていた。二重人格という人物の登場、5分間という短時間での密室に近い状況での殺人事件、同じ銃が使用されていたということ、国民全員のDNAデータを国が管理するという管理社会の問題提議、正体不明の少女スズランの出現、アメリカからのDNA捜査システムを修得する目的で来日した白鳥里沙という女性の謎の行動と、色々興味を引く話題が盛り込まれ、犯人像もなかなか見えてこないなか、飽きさせずに物語が展開していく。

 推理小説として文句なくおもしろい。

 警察庁主導の捜査で、警視庁の浅間たちは手先として動かされるが、そこは目をつぶってもらって独自に調べていく浅間と、リュウという人格を内蔵する神楽が犯人として追われる中、真相を突き止めていくと・・・。
“プラチナデータ”というデータがシステムの中に挿入されていたことが途中で明らかになってくるが、果たしてどういうものなのか?

 

余談:

 東野圭吾のドラマが何故か目白押しにテレビに出てくる。なかなか多面的な人物であるようでとらえどころがない。まずチャンネルを選択するのに間違いがない。それなりにおもしろいから。そんなところがあるのでは。ちょうど山村美砂の原作が間違いないみたいに。

 でも山村美砂のは同じような展開にもう飽きた。出てくるタレントも同じようなのばかり。といったら俳優の数も限られているのだろう。そういう点では読書なら自分の思うがままの人物像がつくり出せていつも新鮮な気持ちで世界を構築できる。宣伝にまどわされないで自身でおもしろいものを発見したときの喜びを味わおうと思った。

背景画は、科学警察研究所(千葉)のフォトを利用して(Mr.Brain利用)。

                    

                          

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